もりっちゃんのゆるブログ

楽しく、でも真面目に。 そんなブログを書いています。

「ヨルガオ殺人事件」(上)を読みました

サッカーW杯、日本チーム惜敗、残念でした。

みんな泣いていたねえ~(T_T)

でもね、PK戦までいったんだもん、すごいよ。

選手にもサポーターにもお疲れさまと言いたいです。

そして、サッカーの楽しさ、怖さ、おもしろさを見せてくれて、

ありがとう!!

 

ヨルガオ殺人事件 上 〈カササギ殺人事件〉シリーズ (創元推理文庫)

「ヨルガオ殺人事件」(アンソニーホロヴィッツ 著/

山田蘭 訳)を読みました。

 

ホロヴィッツ作品を続けて読んでいます。

最初に読んだのが「カササギ殺人事件」(上下巻)。

moricchan24.hatenablog.com

moricchan24.hatenablog.com

 

この「カササギ殺人事件」と同じく、作中作の構成で、

内側の作品『愚行の代償』は探偵アティカス・ピュントの

シリーズ。

カササギ殺人事件」(下)の記事の最後に、

私は「もうピュントの登場する作品を読めないことが悲しい」

と書いたが、嬉しい誤算だった。

 

前作「カササギ殺人事件」に関わったために、ロンドンでの

編集者の職を辞し、婚約者とクレタ島でホテル経営をする

スーザン・ライランドだったが、

あれから2年。

50歳を目の前にして、自分のやりたかったことは何だったのか

考える日々だ。

そのスーザンのもとに、イギリスの高級ホテルを経営する

夫妻が訪ねてくる。

彼らの娘の失踪に、スーザンが編集に携わったアラン・コンウェイ

作『愚行の代償』が関係しているというのだ。

スーザンはイギリスに飛び、夫妻のホテルに泊まり、

娘の探索に力を貸そうとするが・・・

 

上巻では、入れ子の外側の物語(スーザン編)も

内側の物語(『愚行の代償』アティカス・ピュント編)も

途中なので、どちらもどう落ち着くのかわからない。

その結末は下巻に譲り、今回はスーザンとスーザンの妹の

ケイティのことを書こうと思う。

前作「カササギ殺人事件」にもケイティは登場したが、

この姉妹は両極端のように描かれている。

姉のスーザンは婚約中の恋人はいるが未婚。

勝ち気で仕事に打ち込むタイプ。

妹のケイティは結婚し子ども2人を育てながら、

地域の活動にも精を出す家庭的なタイプ。

とても仲の良い姉妹なのだが、スーザンは妹といると、

落ち着かない気分になるのだ。

自分がもっとケイティのようだったらいいのにと、

わたしは何度となく願ったことがある。

(中略)

とはいえ、わたしはこんな家に住みたいとは思わない。

(中略)

こんなところに住んでいたら、わたしならちょっと

逃げ場がなくて息苦しく感じてしまいそう(後略)

といって、わたしの生き方などあまりに混乱をきわめていて、

とうてい自慢できるようなものではない。

(「ヨルガオ殺人事件」(上)より)

スーザンが語り手なのでスーザンの思いしか書かれていないが、

おそらくケイティも同じように思っているのではないと思う。

お互い自分にないものに憧れや嫉妬を感じてしまうものだ。

自分には無理だとわかっているのに。

 

でもこの姉妹がお互いを思い合う気持ちは通じている。

つかず離れずという関係がちょうどいいのだろう。

今回妹のケイティも何やら問題を抱えているようで、

それも気になる。

 

さて、続く下巻だが、まだ手元にない。

上巻の内容を忘れてしまう前に届くことを願っている。