昨夜から台風7号の影響で暴風になり、今日は朝から雨と風に振り回されました。
まだベランダ側の窓は開けられず、蒸し風呂のような室内で過ごしています。
今日は医者の予約の予定がありましたが、電話で日時を変更してもらいました。
まだ警報も続いていて油断はできませんが、今のところ停電することはなく、これだけはほっとしました。台風が過ぎ去ってからもしばらくは雨風が続きます。引き続き注意しましょう。
「殺しのライン」(アンソニー・ホロヴィッツ 著/山田蘭 訳)を読みました。
「メインテーマは殺人」(原題“THE WORD IS MURDER”)、「その裁きは死」(原題“THE SENTENCE IS DEATH”)に続く、“へんこな元刑事”の探偵ホーソーンのシリーズ第3作です。
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前2作は昨年のコロナ感染の頃に読んだようで、細かい部分は忘れていた。
シリーズ初めの頃は、語り手のアンソニー・ホロヴィッツと相棒のダニエル・ホーソーンはしょっちゅう言い合いをしていたが、コンビで動くことが増えるにつれ、お互い少し気を遣うようになったのか、激しいケンカや仲たがいは少なくなっている。でも読む方としてはちょっと物足らない(笑)
今までは、ホーソーンが事件を引き連れて登場するという設定だったが、今回は語り手の「わたし」(アンソニー・ホロヴィッツ)がホーソーンの活躍を描いた小説「メインテーマは殺人」が上梓されることになり、その宣伝も兼ね“文芸フェス”に二人で参加したところ事件に遭遇する設定。
事件が起こるまでの描写が今までより長く、おそらく事件の関係者(犯人も)となる登場人物がより詳しく読み手に提示される。どの人物も怪しい感じで、謎めいている。
物語の舞台は、英国チャンネル諸島のオルダニー島。(なんか最近、島を舞台にしたのが続いてるな)第二次大戦中、ナチスに占領された歴史を持つ島だ。
その島で、文芸フェスの関係者の一人が死体で発見される。椅子に手足をテープで固定されていたが、なぜか右手だけが自由なままだった・・・
利き手が右手なら、自由にさせた理由はまず“何かを書かせるため”だと思われる。
例えば、小切手のサインや遺言。
もちろん、そんな私でも思いつくような理由ではなかったが、カギとなるヒントを作者はちゃんと用意していてくれる。
事件の謎はすっきり明かされるが、相変わらずホーソーン自身の謎はますます深まるばかりだ。
原題に、文章に関わることばが入っていることがわかる。
“THE WORD IS MURDER”、“THE SENTENCE IS DEATH”、“A LINE TO KILL”
WORD→SENTENCE→LINE という流れ。
来月、4作目が発売されるようだ。LINEの次は何か気になる・・・