もりっちゃんのゆるブログ

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「約束の地」を読みました

昨日、今日と初夏のような暑さでした。まだカラッとした暑さなのでそれほど堪えないけれど、そろそろ熱中症対策も考えないといけない季節ですね。

  (無料イラストより)

 

約束の地

「約束の地」(ロバート・B・パーカー 著/菊池光 訳)を読みました。

前作「初秋」に続きパーカーのハードボイルド作品です。「初秋」よりも前の作品なので、相棒ホークや恋人スーザンとの関係をより理解できました。

 

私立探偵のスペンサーは元ヘビー級のボクサー。日々体を鍛え、詩を読み、料理をしている。

今回の依頼人は、家出した妻パムを探してほしいと言う男性シェパード。パムはすぐ見つかったが、夫の元には帰らないと言う。そのうえ、夫のシェパードも借金を抱え面倒なことになりそう。スペンサーは夫婦を救う方法はないかと考えるが・・・

 

破綻しかけている夫婦の世話を焼きながら、スペンサーは恋人スーザンとの関係に向き合うことになる。このふたりの会話文が多く、今回も映画を見るようにすらすらと読めた。

 

タイトルの「約束の地」(原題:Promisted Land)、検索をかけても一番に出てくるのが、聖書にある「神がイスラエルの民に与えると約束した土地」。場所としては、ナイル川からユーフラテス川までの領域とされている。

そのことをふまえて、スペンサーはこのように言う。

長年ボストンに住んでいると、とかく、ケイプ・コッドを神の約束の地と思いがちになる。

(「約束の地」より)

ケープ・コッドは、ボストンの南東にある鉤状に曲がった半島で、内側が湾になっている。1620年にイギリスのピューリタンが、このケープ・コッドのプリマスに上陸し、入植が本格的に始まった。上陸者にとっては、ケープ・コッドが“約束の地”という希望だったのかもしれない。

このへんの感覚はなかなか理解しにくいけれども、人間のDNA、アイデンティティーについて考えさせられる。

 

この作品とは全く関係ないが、私にとって「Promisted Land」はハマショーこと浜田省吾のアルバムのタイトル。そういえば「初秋」という曲もハマショーにあるよね。あれれ。

 

脅しやら、撃ち合いやら、殴り合いやら、ハードなシーン満載の作品でした。私には「初秋」の方が(ハードボイルドとしては物足りないかもしれないが)好みでした。

パーカーの作品はこれでひとまず終わり。

次は何を読もうかな。