12月になりました。🎅
今年は寒くなるのが早くて残念です。冬は風邪をひきやすく、苦手で・・・
気を付けなくっちゃね😊
「説教師」(カミラ・レックバリ 著/原邦史朗 訳)を読みました。
スウェーデン発のミステリー、作家エリカと刑事パトリックのシリーズ2作目です。
「氷姫」に続き、8年経っての再読になります。
↓ 前回の記事。
伝記作家のエリカは、幼い頃の友人アレクスの事件をまとめた本が大当たりしたところだったが、実家で同棲し始めたパトリックとの間に子どもができ、次の執筆を中断し、出産を控えた産休中だ。
クングスクリュフタンと呼ばれる洞窟で、若い女性の遺体が発見される。ところが搬出時、遺体の下に古い骨が2体見つかり、警察は3体の身元確認に翻弄される。検死の結果、新旧の遺体は20数年離れているのに、全く同じ拷問を受けて殺されたことが判明。パトリックは捜査の指揮をとるが・・・
前作「氷姫」はエリカとパトリックが協力して事件を解明する形だったが、今回エリカは事件に直接関係のない立場なので、捜査の蚊帳の外に置かれる。それでも、DV夫と離婚した妹アンナをずっと心配し、心晴れない日々だ。
事件の解明はパトリック中心で、さえない捜査メンバーたちも大活躍している。
若い女性が拷問を受けて殺されるなんて、おぞましく無惨で、読んでいて苦しかった。しかし、そんなことをする犯人には理由があり、逮捕されたその後も描かれていた。宗教も神も、人を幸せにするために存在するのではないのかーそんな思いが強くなったが、残念ながら現実はそれほど甘くないのだ。
考えさせられたのは、物語に登場する“きょうだい”たち。
有名な説教師エフライムの息子に生まれたガブリエルとユハンネス兄弟。
ユハンネスの息子、ローバットとユーハン兄弟。
ガブリエルの子ども、ヤーコブとリンダ兄妹。
そして、エリカとアンナ姉妹。
同じ親から生まれ、同じ環境で育ったはずの“きょうだい”なのに、その関係は微妙だ。嫉妬や遠慮、近いからこその直接的な感情が湧いてくる。同時にその感情は自分自身に返ってくるから不思議だ。
次作は「悪童」。8年前の記事はないが、読むだけは読んだかもしれない。思い出せるかどうかはわからないけれども。