もりっちゃんのゆるブログ

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「メインテーマは殺人」を読みました

メインテーマは殺人 ホーソーン&ホロヴィッツ・シリーズ (創元推理文庫)

「メインテーマは殺人」(アンソニーホロヴィッツ 著/

山田蘭 訳)を読みました。

 

前作「カササギ殺人事件」に続いて同じ作者の作品を

読みました。

コロナに罹る前に図書館で借りていました。

(解熱薬で)熱が下がったときにちょこちょこ読んで

いました。

 

前作の探偵アティカス・ピュントは死んでしまったので

(ネタバレですが、ピュントが余命いくばくもないことは

初めの方で明らかになるので問題ないでしょう)、

登場しない。

代わりに新しいキャラクター、元刑事のダニエル・ホーソーン

登場する。

ホーソーンロンドン警視庁の刑事でしたが、ある事情で退職。

でもその類い稀な捜査能力を買われ、今は警視庁の顧問を

つとめている。

このホーソーンという人物、相当へんこ。

へんこってわかりますか?

漢字で偏固と書き、偏屈で頑固なことなんですが、

たぶん関西でしか使わないかな。

どっちかというとマイナスなイメージですね。

かなりマイナスなイメージで登場するホーソーンが、

物語が進むにつれ、プラスに振れてくるのがおもしろい。

まあ、名探偵なんて大体へんこだよね。(笑)

 

ホーソーンの相棒となるのが、作家・脚本家の

アンソニーホロヴィッツ

そう、作者です。

自らの葬儀の手配をしたまさにその日、資産家の老婦人は

絞殺された。彼女は、自分が殺されると知っていたのか?

作家のわたし、ホロヴィッツはドラマの脚本執筆で

知りあった元刑事ホーソーンから、この奇妙な事件を

捜査する自分を本にしないかと誘われる・・・

(「メインテーマは殺人」作品紹介より)

 

もう、初めは散々だ・・・何度も二人は言い合いやケンカを

する。

それが最後には、

正直に告白するなら、ワトスンがどれだけシャーロック・ホームズ

を崇拝し、ヘイスティングスがどれだけエルキュール・ポワロに

感嘆していたとしても、この瞬間わたしの胸に広がった

ホーソーンへの愛にはとうていかなうまい。

(「メインテーマは殺人」22 仮面を外す より)

愛の告白ですよ。ここまで変わるかぁ~~

 

ホーソーンホロヴィッツ、この二人の掛け合いが

まず印象に残る。

あと、この二人が事件の捜査でロンドンだけでなく、

イギリスを西へ東へと飛び回るのだが、その土地土地の

風景が情感あふれていていい。

日本でも、どこに行ってもチェーン店のスーパーやコンビニ、

ショッピングモールがあり、その土地ならではの特性が

失われつつあると言われているが、イギリスもそのようだ。

多少不便ではあっても、その町ならでは良さがあると

作者は思っているようだ。

 

物語は、フーダニットのミステリーだが、本筋以外の謎も

きっちり解明されるので気持ちがいい。

殺されたクーパー夫人は、何故自らの葬儀を申し込んだのか?

結局は冒頭の謎が全ての謎の解明につながる。

 

死ぬ前に自分の葬儀を申し込んでおく人、いますね。

申し込みはしていなくても、エンディングノートで希望を残されて

いる人もいるでしょう。

私の父も既に自分の葬儀を手配しています。遺影も決まっています。

私はそれでいいと思っているのですが、家族の中には別の希望を

もっている者もいて。

そのときはもめるでしょう。

旦那さんは「(自分の葬儀について)何も決めない」と断言します。

決めてもその通りやってもらえるかわからない。

「そんなこと頼んでない!」と死んでから文句ゆわれへん。

とのこと。

ま、考え方はいろいろ。これから考えが変わる可能性もありますし。

 

次は、同じ作者の「その裁きは死」を読む予定です。