もりっちゃんのゆるブログ

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「魔術師を探せ!」を読みました

明日からやって来そうです、寒波⛄

明日火曜日は通院の日なので、ちょっと心配。

雪やみぞれだと足元がすべるかもしれないし、この年ですべって転ぶと大変です。とにかく気をつけないと。

 

魔術師を探せ! 〔新訳版〕 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

「魔術師を探せ!」(ランドル・ギャレット 著/公手成幸 訳)を読みました。

今作で、ハヤカワミステリ文庫<このミステリがヤバい!>フェアの対象本、コンプリートです。

阿津川辰海氏の帯コメントが以下の通り。

平行世界の英国、魔術による捜査、不可解な犯罪。とくと見よ。魔術の世界に、かくも鮮やかに推理は息づくー

 

作者のギャレットはSF作家でもあり、この作品の世界も独特。

1960~70年代のヨーロッパだが、“英仏帝国”という架空の国が治めているという設定で、新大陸は見つかっているが、産業革命は起こっていない妙な世界。

貴族がお城に暮らし、電灯ではなくランプ、自動車ではなく馬車が走り、科学技術よりも魔術が発達したとされている。

 

そんな世界で事件の捜査にあたるのは、国王の命を受けた捜査官ダーシー卿と上級魔術師のショーン。

今まで読んだことのない設定で初めはなじめなかったが、慣れてくると気にならなくなった。

原題に“The Eyes Have It and Other Stories”とある通り、

の3作を収録する中篇集。

ミステリとして十分おもしろかったが、何よりも奇抜な設定に驚かされた。

解説で、山口雅也氏が

これを日本史で仮想すれば、織田信長本能寺の変を生き延び、見事天下を統一、その後東アジアにまたがる版図拡大も成し遂げ、一大東亜帝国を築いたーというような大胆な発想の世界観ということになる。

と評しているのを読み、この作品の空想世界を理解できた気がする。

 

まだしばらく海外作品が続きそう。