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「中年の本棚」を読みました

 

中年の本棚

「中年の本棚」(荻原魚雷 著)を読みました。

著者が43歳から50歳まで雑誌『scripta』に連載したものをまとめた

エッセイ集。

中年に的を絞ったいろんな分野の本が紹介されている。

昨年(2020年)8月29日(土)、毎日新聞書評欄「今週の本棚」で

紹介され、図書館で予約し回ってきました。

 

中年っていったい何歳くらいを言うんだろう。

定義はいろいろあるようだが、だいたい40歳~55歳くらいを指すようだ。

厚労省の調査では、0~4歳を幼年、5~14歳を少年、15~24歳を青年、

25~44歳を壮年、45~64歳を中年、それ以上を高年としているそう。

私のイメージは40代~50代前半で、私自身は一番体調も周りの状況も

よかった時期だ。

この本を読むと、中年になると体の無理がきかなくなり、

先が見えてきて、といったちょっとマイナスなイメージ が

うかがえる。

確かに40歳になったときはちょっとショックだったことを

覚えている。

でも50歳になったときは開放的な気分になって、それほど

ショックではなかった。

60歳を迎えたときはどうだろう。

 

「四十不惑」「四十にして惑わず」を聞いたことがあると思います。

有名な孔子の『論語』の一節。

子曰

吾十有五而志乎学

三十而立

四十而不惑

五十而知天命

六十而耳順

七十而従心所欲不踰踰

(わかりやすく改行しています)

(意味)先生はおっしゃった。

    私は十五歳のときに学問を志した。

    三十歳で精神的に独立し

    四十歳で迷うことがなくなった。

    五十歳で与えられた天命を理解し、

    六十歳になれば人の意見に耳を傾けるようになった。

    七十歳で心の思うままに行動しても道徳的な道を踏み外すことが

    なくなった。

 

40歳で不惑の境地になるなんて到底無理という人は多いと思う。

作者は「四十初惑」ということばを紹介している。

四十初惑

五十立志

六十精励

七十成就

八十ニシテ熄ム

(意味)四十にして初めて惑う

    五十にして志をたて

    六十にして事に励み

    七十にして事を成し遂げ、

    八十でやっと引退する

評論家の扇谷正造の本からとられているが、もともとは

吉川英治のことばらしい。

これなら五十歳でもまだまだこれからだ。

 

中年になって気をつけなければいけないことと、

中年になってもこだわらなくてもいいことが、

ぼんやり見えてくる。

とはいえ、私はもう中年を過ぎたと思う。

「高年の本棚」を探すべきだろうか。