一足早く、夫と息子にチョコレートを渡しました。
(無料イラストより)
「人面瘡探偵」(中山七里 著)を読みました。
文庫版はこちら。 ↓
人面瘡(じんめんそう)は、
体についた傷などが人の顔のようになり、
意志をもって喋ったりするようになった存在。
妖怪や奇病の一種とされる。
(「人面瘡探偵」見返しの註より)
とのこと。
主人公の三津木六兵(みつぎろつぺい)は相続鑑定士。
相続手続きに必要な土地家屋調査、不動産調査、
税理、貴金属鑑定、など各分野の専門家を連携させ、
相続人に適切なアドバイスをする仕事だ。
5歳のとき、山中の崖から転落。右肩に大きな怪我を
した六兵。
その傷口は塞がらず、3か所の傷が目と口になり
しゃべり始めた。
その人面瘡を両親は信じず、六兵は以来秘密にし、
人面瘡に「ジンさん」と名付け会話をするようになった。
信州の山林王と呼ばれている本城家の当主が亡くなり、
六兵は相続鑑定士として派遣された。
その鑑定の最中、連続して殺人事件が起こる。
目次はこんな感じ。 ↓
- むかしむかし
- 最初のタヌキは焼け死んで
- 二番めのタヌキは首を吊り
- 三番目のタヌキは流されて
- どっとはらい
予想通りの見立て殺人です。
忌まわしい歴史と古い因習が明らかになっていく、
横溝ワールドっぽいお話。
今どきちょっと古くさいと思いましたが(2019年発行)、
人面瘡の「ジンさん」の推理を借りて、気弱な
六兵が事件の謎を追うストーリーには妙に合う。
鑑定を終えて本城家を後にする六兵にああやれやれと
思っていたら、そこは中山七里。最後まで油断なされぬよう。