しばらく寸暇を惜しんで読書していました。
家事も最小限にして。
図書館の返却期限が迫っていてどうしても今日中に読了しないと
いけなかったのです。
予約が付いている本で、延長ができないからです。
その本とは違うのですが、書き溜めていた読書記事をアップします。
「魚食の人類史」(島泰三 著)を読みました。
2020年7月発行の新しい本。
毎日新聞書評欄「今週の本棚」(9月5日付)で紹介されました。
人類の起源については、高校生(1980年代初め)のときの知識しかなく、
専門用語がバンバン出てくるので、息子の世界史便覧の冒頭ページを
コピーし参照しながら読みました。
便覧は2007年のものでしたが、これでも古い。
新しく遺跡が発掘されたり、人骨を分析して新たな研究結果が出たりして
どんどん歴史が書き変わっていくんですね。
著者の島氏はニホンザルやアイアイなどおサルの研究をされてきたかた。
それがなぜ魚、魚を食べるということについて興味を持たれたかに
ついては、あとがきで触れてあります。
人類はいつから魚を食べるようになったのか?
おサルは魚を食べるのか?
おサルの食性から類人猿、化石人類(猿人→原人→旧人→新人:
今はこういう区別はしないようだ)の食性を文献から調べ、
氷河期を生き延びることができた理由のひとつに魚食があるのでは
と考えられたようだ。
私は海のない県、奈良で20代後半まで育ったので、お刺身にできる
ような新鮮な魚を毎日食べられるような環境にはなかった。
けれど、魚好きの家族だったこともあり、煮魚や焼き魚は
よく食卓に並んだ。
おかげでまるごとの魚でもきれいに骨を残して食べることができる。
「標本のようだ」と人からはほめてもらえた。
本書を読めばわかるが、日本有数の漁港 下関漁港の水産物取扱量は
1966年の24万トンが最高で、それから急降下する。
2004年には1万7千トンである。
私たちが魚を食べなくなったこと、魚が獲れなくなったことで
私たちの食性は変わった。
私たちの先祖が生き延びるために始めた魚食が衰退していいのか
と問題提起しています。
この本を読んでから、意識して魚を食べるようにしています。
おやつに丸干しをトースターで焼いて食べたりとか。
この本とは関係ありませんが、ギョギョギョのさかなクンは
好きです。