午前中は晴れていましたが、午後から曇ってきました。
雨かな~ 🌂
「虚ろな十字架」(東野圭吾 著)を読みました。
図書館の書棚で手に取った本です。
書き下ろし作品で、発行は2014年。
多作な作家ですが、東野作品はハズレがほとんどありません。
プロットがしっかりしていて、すべての謎が解き明かされ
おさまるところにおさまります。
今作のテーマは、罪を犯した者への刑罰についてではないかと
思います。
死刑制度の是非にも触れられています。
重いテーマですが、決して難しい内容ではありません。
タイトルの「虚ろな十字架」は、被害者の女性が書き残した
文章に出てくる言葉です。
(前略)
人を殺した人間は、計画的であろうとなかろうと、衝動的なものだろうが
何だろうが、また人を殺すおそれがある。それなのにこの国では、
有期刑が下されることも少なくない。一体どこの誰に「この殺人犯は
刑務所に○○年入れておけば真人間になる」などと断言できるだろう。
殺人者をそんな虚ろな十字架に縛り付けることに、どんな意味があると
いうのか。
(後略)
東野圭吾著「虚ろな十字架」より
言葉自体はここに登場するのですが、罪の意識、罪悪感、償いなどの
ニュアンスで作品全体に通ずるテーマだと思いました。
また、表紙は富士青木ヶ原の樹海を表しています。
これもひとつのモチーフになっています。