もりっちゃんのゆるブログ

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「恐るべき太陽」を読みました

今週は雨続きでした。冬なのに、なんだか家の中までジメジメな感じです。

今日は久しぶりの晴れ🌞 明日はまた雨なんだけど・・・

せっかくの連休なのに、出かける予定が難しいですね。Jリーグプロ野球も開幕(野球はオープン戦ですが)し、春は近づいていますね🌸

 

恐るべき太陽 (集英社文庫)

「恐るべき太陽」(ミシェル・ビュッシ 著/平岡敦 訳)を読みました。

ビュッシの作品では、「黒い睡蓮」をすでに読んでいます。

 

moricchan24.hatenablog.com

 

「黒い睡蓮」と同様、この「恐るべき太陽」も叙述トリックのミステリー。

でも、この作品は、叙述トリックであること、アガサ・クリスティーの有名な作品「そして誰もいなくなった」に対する挑戦作であることを知ったうえで読んでも、何ら問題はないように思う。というか、読んでいると何となく感じる違和感が、徐々にトリックの壁を崩していく。騙されても騙されなくても、ミステリーとして楽しめる作品だ。

 

文庫版の紹介文をそのまま引用する。

画家ゴーギャンや歌手ジャック・ブレルが愛した南太平洋仏領ポリネシアのヒバオア島。謎めいた石像ティキたちが見守るこの島に、人気ベストセラー作家と、彼の熱烈なファンでもある作家志望の女性5人が<創作アトリエ>のために集まった。だが作家は失踪、彼女らは次々に死体となって発見され・・・。最後に残るのは、誰?

(「恐るべき太陽」紹介文より)

 

クリスティーの「そして誰もいなくなった」を連想させるが、ヒバオア島には住民もいるし、もっと言ってしまえば「誰もいなくなりはしない」(笑)

この作品の魅力は、舞台となるポリネシアの島だろう。ゴーギャンやブレルが眠る墓地や記念館には世界中から観光客が訪れるが、島には住民によって守られてきた自然と神々、生きる術が残っている。

タイトルの“恐るべき太陽”は、島に照りつける強い陽光を表し、作家志望の女性たちが泊まるバンガロー:恐るべき太陽荘 の名になっているが、作中ではどんな秘密も暴き出す力を表している気もする。

 

連続殺人事件を描くのに、マイマという少女を語り手の一人にしたのは、物語を暗く沈んだものにさせずに済んでいる。どんな結末でも、未来のある若者が残っているのは救いだ。

もう一人、あまり登場しないが、出版社の社長 セルヴァーヌ・アスティーヌ(舌かみそ💦)が強烈。転んでもただでは起きない人物で、怖すぎ。

 

次は、再びシャルロッテ・リンクの作品を読む予定です。