もりっちゃんのゆるブログ

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「空の幻像」を読みました

台風6号がノロノロ進む間に、次の7号も発生しました。6号の被害もまだ続くなか、気が休まりません。

昨夜は寝苦しくしんどかったです。今年の夏はほんとにどうなってるのやら・・・

 

空の幻像 (創元推理文庫)

「空の幻像」(アン・クリーヴス 著/玉木亨 訳)を読みました。

ペレス警部が主人公の“シェトランド四重奏”に続くシリーズ第2弾。

 

病気療養中だったペレスが復帰して、夏がやってきた。今回の舞台はシェトランド諸島の北の端、アンスト島。しょっちゅう霧が出る島だ。

テレビ番組制作者のエレノアは、親友の里帰り結婚式に出席するためアンスト島を訪れていたが、結婚式が終わった後、滞在していた貸家から姿を消す。ペレス警部たちが捜索を開始して間もなく死体で発見される。他殺だった。

アンスト島には少女の幽霊の伝説があり、エレノアはその取材もしていたという。彼女が殺されたことに関係があるのか・・・

 

この件は欺瞞ではじまった、とペレスは思った。すべては幻覚であり、錯覚だった。奇妙な影。途中で中断させられた嘘。

(「空の幻像」より)

事件が解決したとき、ペレスはこう感じた。

悪気のない悪戯、思惑が恐ろしい結果につながった事件だったといえるだろう。

 

話のモチーフが少女の幽霊で、登場人物の間で「あなたは幽霊を信じるか?」という言葉が交わされる。

私は幽霊を見たことがない。お化け屋敷で作り物の幽霊を見たことはあるが、それでも結構怖い。肝試しも苦手だ。ホラー小説や映画もだめだ。

見たことはないが、幽霊はいるんじゃないかと思っている。この話を読んで、やっぱり幽霊はいるんじゃないかと思えた。

 

原題は“THIN AIR”。前作が“DEAD WATER”なので、“水”“空気”と続き、次作は“COLD EIRTH”。邦題は「地の告発」。

これは予想通り、万物の根源を成す四つの元素からとられたタイトルだと思います。だから4作目も予想可能。この4部作は穏やかに終わってほしいなと希望します。