もりっちゃんのゆるブログ

楽しく、でも真面目に。 そんなブログを書いています。

「ベルリンは晴れているか」を読みました

台風の影響か、急に雷が鳴り⚡雨が降ってきます。☔

昨日の甲子園球場での阪神の試合も、

コールドゲームになってしまいました・・・

台風が北へ逃げるまではしばらく不安定な天気が続くでしょう。

最新の情報に気をつけて備えましょう(^^)/

ベルリンは晴れているか (ちくま文庫)

「ベルリンは晴れているか」

(深緑野分(ふかみどりのわき)著)を読みました。

前から気になっていた本で、やっと読めました。

でも、(昨日の記事に書いた)世界史の動画を見ている

今のタイミングでよかったと思っています。

 

舞台は、1945年7月のドイツ、ベルリン。

不勉強で、1945年といえば、8月に日本が終戦を迎えたことしか

知識がなかったのですが、

ドイツはこの年、4月にヒトラーが自殺し、5月にベルリンが陥落、

7月には無条件降伏していました。

ドイツは日本より1ヵ月早く終戦を迎えていたわけですが、

敗戦後のドイツはどうなったのか、詳しく知りませんでした。

ドイツは連合国(イギリス・フランス・アメリカ・ソ連)に

分割統治されていました。

そして首都だったベルリンは、ソ連の分割統治領にあるのですが、

この都市だけは街ごと4国で分割統治されていたのでした。

 

主人公のアウグステは、ベルリンのアメリカ領内の食堂で

働く18歳。英語が話せるということで雇われたのだった。

ある日、自室にいたアウグステをアメリカ軍が迎えに来る。

ソ連軍が呼んでいる」と言われ、ソ連領まで連れて行かれる。

そこで、アウグステは知り合いのドイツ人 クリストフの

死体を見せられ、殺人の容疑をかけられてしまう。

アウグステは自分の無実の証明と、それとは別の隠れた

目的を持って、クリストフの甥 エーリヒを捜しに、

ベルリンからポツダムまで自力で出かけるのだった・・・

 

物語が進むにつれて、アウグステの過去が明らかに

なっていく。

戦争の悲惨さと残虐性、人間の狂気を何度も感じるが、

不思議と苦しい気持ちにはならない。

戦争が終わっても争いが絶えない街で、騙し騙されながら

目的地に向かう姿は、冒険物語のようだった。

 

当時のベルリンの街には、何人ものアウグステが

いたんだろう。

アウグステの心の支えが『エーミールと探偵たち』

だったように、皆なにがしかの支えを胸に日々を

生きていたんだろう。

目的を果たしたアウグステの未来に、

これからもエールを送りたいと思う。