もりっちゃんのゆるブログ

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「完訳 ファーブル昆虫記 第2巻 上」を読みました

夜は秋の虫の音が聞こえるようになりました。

もう夏が終わるんだなあとしみじみしていたら、

木曜日あたりから再び暑くなるそう。

ちょっと気が早かったか・・・

 

完訳 ファーブル昆虫記 第2巻 上

「完訳 ファーブル昆虫記 第2巻 上」(ジャン=アンリ・ファーブル 著/

奥本大三郎 訳)を読みました。

ファーブル昆虫記の3冊目。表紙もとうとう(笑)ハチになりました。

アラメジカバチ(粗目似我蜂)

トックリバチ(徳利蜂)

ドロバチ(泥蜂)

ナヤノヌリハナバチ(納屋塗花蜂)

これら4種のハチが登場します。

 

ファーブルさんは1879年、55歳のときに「アルマス(荒地の意)」と

名づけた家と研究室のある広い庭付きの土地を買い、

ここで昆虫の観察に専念します。

「これが私のエデンの園である」とファーブルさんは言っています。

あらゆる種類のハチの職業組合が会合を開いている、と。

さまざまな種類の獲物を狙う狩人、漆喰の家を造る建築家、

木綿を織る職人、葉や花びらを切り抜いて張りあわせる職人、

木の繊維の家を造る工芸家、粘土をこねる左官屋、

材木に穴を穿つ大工、地下に坑道を掘る坑夫、風船つくり職人、

等々。

(「完訳 ファーブル昆虫記 第2巻上」“1アルマス”より)

ファーブルさんのワクワク感が伝わってきます。

 

アラメジガバチは、砂地に巣穴を掘り、ヨトウムシを狩って

巣穴に蓄え幼虫の餌とする。

ヨトウムシは畑の作物を荒らす害虫なので、アラメジガバチを

増やして狩ってもらったらいいのにと考えるかもしれないが、

そうはいかない。

ヨトウムシを全部退治してもらったら、アラメジガバチの獲物が

なくなってしまうので、そこにアラメジガバチはいられなくなる。

益虫には害虫が必要だという、なんとも皮肉な、絶妙なバランスの

もとにあるのだ。

 

トックリバチは、泥で徳利状の巣を造り、複数のガの幼虫ー芋虫を

蓄えて卵を産みつける。

この徳利状の巣は、小石やカタツムリの殻が表面に埋め込まれ、

なかなか美しい。

 

ドロバチは、崖などに巣穴を掘り、複数の小部屋を造る。

そこにゾウムシなどの幼虫を狩り、巣に蓄えて幼虫の餌とする。

巣の入り口には泥で筒状の出入り口をこしらえる。

 

ナヤノヌリハナバチは、納屋の軒や庇などに複数の巣を造り、

花の蜜や花粉を巣に蓄えて幼虫の餌とする。

 

ファーブルさんはダーウィンの唱える進化論を受け入れなかった

けれど、ダーウィンの提案した実験は受け入れている。

私は彼の進化論を信じることができないのだけれど、

彼の人格の高潔さと、学者としての誠実さに対する

私の深い敬意は、それによっていささかも減ずるものでは

ないからである。

(「完訳 ファーブル昆虫記 第2巻上」

  “7 ナヤノヌリハナバチの新しい研究”より)

 

最後に、ハチではない昆虫が1つ紹介されている。

アリだ。

でも変なアリ。

アカサムライアリといって、他種のアリの巣を襲って蛹を

奪い、自分の巣で羽化させ、奴隷として使役するアリ。

餌も自分では食べず、奴隷アリに口移しで給餌させる。

恐ろしいですね。

 

ファーブル家にはブルという名の飼い犬がいて、

ファーブルさんはそのブルの歌を作っている。

五線譜が載っていたので、歌ってみた。

3拍子の素朴でかわいい歌だ。

ちなみに飼い猫もいる。名前はジョーネ。 

本当に生き物が好きだったのだなあと思いました。

 

次は、第2巻の下。まだまだハチが続くみたい。