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「完訳 ファーブル昆虫記 第4巻下」を読みました

完訳 ファーブル昆虫記 第4巻 下

「完訳 ファーブル昆虫記 第4巻下」

   (ジャン=アンリ・ファーブル 著/奥本大三郎 訳)を読みました。

 

今巻はハチについてのまとめになっています。

第1巻上から数えて8冊はハチの巻でした~~~

がんばった! ハチについてたくさん知ることができました。

長かったよ~~~

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  (無料イラストより ミツバチ)

狩りバチは、幼虫のために狩りをするのであって、

自分(成虫)の食料はあくまでも花粉や蜜。

つまり、幼虫は肉食なのに成虫は草食ということになる。

でもファーブルさんは例外を見つける。

 

〇ドロバチ・・・イモムシや尺取虫を狩って幼虫の餌にする。

オウシュウハムシドロバチは、ドロノキハムシの幼虫を

捕らえるが、幼虫の餌にするだけでなく、

自分(成虫)でも腸の一部をちょっと食べる。

 

〇ミツバチハナスガリ・・・ミツバチを狩って幼虫の

餌にする。

ミツバチハナスガリの雌は、

獲物のミツバチの嗉嚢を押して蜜を吸いだす。

 

ファーブルさんは、このハチたちは幼虫が食べないように

わざと餌の一部を食べているのではと推理する。

ドロノキハムシの幼虫が腸から出す分泌物や、

ミツバチの貯めた蜜は、ハチたちの幼虫には毒では

ないのかというのだ。

 

ファーブルさんの推理は間違っていることもあるが、

その投げかけが今の動物学(動物行動学)をつくって

いったのだろうと思う。

 

次に登場する虫は、幼虫が樹木の幹を食べて育つ

カミキリムシ。

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  (無料イラストより)

人間には食害を受ける害虫として、嫌われることが多い

カミキリムシ。

幼虫は幹の中を掘り進められるのに、

成虫は固い体と長い触角が邪魔をして、

掘り進むことができない。

幼虫は蛹化(蛹になる)するとき、

成虫が外へ出やすいように、樹皮の近くに蛹室

(蛹の部屋)を作る。

ハチは幼虫のために餌を用意するが、

カミキリムシは成虫のために脱出口を用意する、

とファーブルさんは言う。

たしかに、たしかに。

 

最後に、カミキリムシと同じように木の幹に卵を産む

キバチが登場する。

(表紙の絵。キバチは体の真ん中がくびれていない。

 原始的なハチと思われる)

キバチは成虫でも掘り進むことができるので、

蛹室は幹の真ん中にある。

羽化した成虫は、そこからきれいな円を描いて

掘り進み、外に出るのだ。

虫によって本当にさまざま。

いつもファーブルさんと共に感心させられている。

 

ファーブルさんの主張は受け入れられないことも

多かった。

自分を批判する人々に対し、ムキになって反論する様が

ちょっと笑えます。

最後に引用します。

博学な先生方、あなた方と私だけで、少しこのことに

ついて話し合おうではありませんか。あなた方は、

練達の狩りバチ、例えばアナバチやツチバチやジカバチの

食料貯蔵室を、一度でも見たことがあるのでしょうか?

ないーそうでしょう。そうだと思っていました。

防腐性の微生物なぞをもちだすまえに、まずこの食料

貯蔵室を見ることから始めたほうがよかったのです。

(「完訳 ファーブル昆虫記 第4巻下」より)

 

私が観察の結果を細かく述べておいた頁を繰って

みるだけの好奇心を、あなた方はもっておられた

のでしょうか? ない、でしょう。やはりそうだろう、

と私は思っていました。残念です。

(「完訳 ファーブル昆虫記 第4巻下」より)

 

次巻は、第1巻上に登場したスカラベが再登場。

楽しみです。