もりっちゃんのゆるブログ

楽しく、でも真面目に。 そんなブログを書いています。

「雷神」を読みました

今年の重大ニュースや一年を振り返る番組が増える時期になりました。

意外に忘れてしまっていることもあり、そうだった、そうだったと納得する日々です。

個人的には、物価高とコロナ5類移行が大きかったです。外に出かける機会も増え、懐かしい人とも会うことができました。改めてこの3年の停滞を思いました。長かったなあと。

いろんなものが値上がりしました。日々の生活でも、大切にすることと、ある意味諦めることを考えるようになりました。

来年になっても、今までのことがチャラになるわけではなく、その上に積み重なっていくわけなので、そのへんはこれからも意識しないといけないでしょう。

まずは、続いている戦争をなんとか終わらせて、子どもの泣き叫ぶ姿を見ない世界になってほしい。

 

雷神

「雷神」(道尾秀介 著)を読みました。

 

2021年発行ですから、比較的新しい道尾作品です。

本の紹介は、帯文をそのまま引用します。

埼玉で小料理屋を営む藤原幸人のもとにかかってきた一本の脅迫電話。それが惨劇の始まりだった。昭和の終わり、藤原家に降りかかった「母の不審死」と「毒殺事件」。真相を解き明かすべく、幸人は姉の亜沙実らとともに、30年の時を経て、因習残る故郷へと潜入調査を試みる。すべては、19歳の一人娘・夕見(ゆみ)を守るために・・・なぜ、母は死んだのか。父は本当に「罪」を犯したのか。村の伝統祭<神鳴講>(かみなりこう)が行われたあの日、事件の発端となった一筋の雷撃。後に世間を震撼させる一通の手紙。父が生涯隠し続けた一枚の写真。そして、現代で繰り広げられる新たな悲劇ー

(「雷神」帯文より)

 

因習残る故郷とは、新潟にある羽田上(はたかみ)村という設定。

道尾作品には、古い歴史や風習の残る地方を舞台にしたものがあるが、この作品もその系列といえるだろう。

秋の終わりから冬の初めに雷が多くなる地域。落雷の被害もあるが、被雷した土地では美味なキノコが採れ、村はその恵みに感謝し、雷を“雷神”とし、祭りを行ってきた。

その村で起きた悲劇。そこから逃れてきたはずの家族が30年後に再び悲劇に襲われる。

 

過去と現在に起きた事件の真相を解くミステリーだが、真相が明らかになっても気分で明るくならないダークな物語だった。

自分で決断を下せないとき、人は“運を天に任せる”と言ったりする。

「手を触れる勇気が持てないものを、神様と言い換えていただけです」

(「雷神」“終章”より)

天に任せた結果、起きた悲劇ということか・・・

 

年末で、あまり集中して読書をする時間がありませんが、本だけは図書館で複数冊借りてきてあります。お正月にゆっくり読む機会が持てたらいいなと思っています。