もりっちゃんのゆるブログ

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「失われた岬」を読みました

失われた岬 (角川書店単行本)

「失われた岬」(篠田節子 著)を読みました。

 

美都子の友人・清花が、北海道に転居後「岬へ行く」と言い残し失踪した。

20年後、ノーベル文学賞を受賞した日本人作家が、「もう一つの世界に入る」と授賞式の前日に失踪し・・・。

(西宮市立図書館の紹介文より)

 

松浦美都子の友人 栂原清花が失踪したのは2007年。ノーベル賞作家 一ノ瀬和紀が失踪したのは2029年。

この2つの失踪事件の真相を探る物語は、主に2029年の方で描かれるので、今からそう遠くない未来が舞台になる。

雑誌連載は2018年~2020年で、コロナの初期にはかかっている。でもそれからコロナウィルスが世界的にどう拡がったかはわからなかったはずだ。

慣れって怖い。それが一番感じたこと。

弾道ミサイルのアラームが携帯から鳴っても、あ、またかと思ってしまう。

古いインフラの整備が追い付かなくて、しょっちゅう停電になっても、あ、またかと思う。そんな未来。

この小説の主題はそんなことではないだろうが、消化できないモヤモヤ感が残った。

今年の秋はクマに襲われる被害が多くニュースになっているが、それもこの物語にかぶる。

着実に人間にとって困った方向に向かっている気がして・・・やはり怖い。