「女の顔を覆え」(P.D.ジェイムズ 著/山室まりあ 訳)を
読みました。
図書館から届いたのは、予想通りボロボロの
ハヤカワポケミス版でした。 ↓
ページをめくると破れるんじゃないかと冷や冷やしました。
P.D.ジェイムズ氏の作品は、「女には向かない職業」、
「皮膚の下の頭蓋骨」に続き3作目です。
前2作は、女性探偵コーデリアのシリーズでしたが、
今作は、ダルグリッシュ主任警部のシリーズで
ジェイムズ氏の処女作になります。
オーソドックスな“フーダニット”(Who (has)done it)の
ミステリー。
イギリスの旧家マクシー家で、若いメイドのサリーが
殺される。
マクシー家には、余命わずかな当主のサイモンと
その妻エリノア、長男、長女ーと家族のほか、
サリーが殺された日には、友人知人が宿泊しており、
容疑者は絞り切れない。
今作ではまだ若々しく、なんだかいい男だ(笑)
訳者の山室まりあ氏のあとがきを引用する。
魅力の本命、主任警部のダルグリッシュ
(第二作からは警視)がどうだ。
詩人で敏腕のこの刑事が、英雄でも
スーパー・エリートでもなく、個人的にも
悩みのある中年男として描かれている点が、
心にくい。(中略)
彼こそは、女ならば是非一度はお目にかかりたくなる、
やさしくて凛々しく、いぶし銀のような紳士である。
(「女の顔を覆え」訳者あとがきより)
きちんとパズルがはまるように事件は解決し、
犯人は逮捕される。
後日談を加えて、やさしく温かな気分で幕を閉じる
さまは、悲しい事件を中和してくれるようだった。
最後までわからなかったのが、タイトルの意味。
比喩的なタイトルなのかもしれないが、よく
わからなかったのが残念。(←私が読み飛ばしているのかも)
原題もそのまま『Cover Her Face』なんだけど。
あと、イギリス人は一日に何度もお茶を飲むんだなあ
と妙なことに興味をもった。
朝、まだ起きるか起きないかのときにも。
夜、寝る直前にも。
あと1作、ジェイムズ氏の作品を予約している。
たぶんこれも古いポケミス版だと思う・・・
(-ω-;)うーん