もりっちゃんのゆるブログ

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「女の顔を覆え」を読みました

女の顔を覆え (ハヤカワ・ミステリ文庫 (HM 129-6))

「女の顔を覆え」(P.D.ジェイムズ 著/山室まりあ 訳)を

読みました。

図書館から届いたのは、予想通りボロボロの

ハヤカワポケミス版でした。 ↓

ページをめくると破れるんじゃないかと冷や冷やしました。

 

P.D.ジェイムズ氏の作品は、「女には向かない職業」、

「皮膚の下の頭蓋骨」に続き3作目です。

前2作は、女性探偵コーデリアのシリーズでしたが、

今作は、ダルグリッシュ主任警部のシリーズで

ジェイムズ氏の処女作になります。

 

オーソドックスな“フーダニット”(Who (has)done it)の

ミステリー。

イギリスの旧家マクシー家で、若いメイドのサリーが

殺される。

マクシー家には、余命わずかな当主のサイモンと

その妻エリノア、長男、長女ーと家族のほか、

サリーが殺された日には、友人知人が宿泊しており、

容疑者は絞り切れない。

 

コーデリアのシリーズにも登場したダルグリッシュ警部だが、

今作ではまだ若々しく、なんだかいい男だ(笑)

訳者の山室まりあ氏のあとがきを引用する。

魅力の本命、主任警部のダルグリッシュ

(第二作からは警視)がどうだ。

詩人で敏腕のこの刑事が、英雄でも

スーパー・エリートでもなく、個人的にも

悩みのある中年男として描かれている点が、

心にくい。(中略)

彼こそは、女ならば是非一度はお目にかかりたくなる、

やさしくて凛々しく、いぶし銀のような紳士である。

(「女の顔を覆え」訳者あとがきより)

 

きちんとパズルがはまるように事件は解決し、

犯人は逮捕される。

後日談を加えて、やさしく温かな気分で幕を閉じる

さまは、悲しい事件を中和してくれるようだった。

 

最後までわからなかったのが、タイトルの意味。

比喩的なタイトルなのかもしれないが、よく

わからなかったのが残念。(←私が読み飛ばしているのかも)

原題もそのまま『Cover Her Face』なんだけど。

 

あと、イギリス人は一日に何度もお茶を飲むんだなあ

と妙なことに興味をもった。

朝、まだ起きるか起きないかのときにも。

夜、寝る直前にも。

 

あと1作、ジェイムズ氏の作品を予約している。

たぶんこれも古いポケミス版だと思う・・・

(-ω-;)うーん