もりっちゃんのゆるブログ

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「女には向かない職業」を読みました

今日は雨☔の順番( ^ω^)・・・

 

女には向かない職業 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

「女には向かない職業」(P.D.ジェイムズ 著/小泉喜美子 訳)

を読みました。

 

この作品は、読者になっている“本猿”さんの

ブログの記事を読んで、読みたくなりました。

図書館で借りた文庫は2012年発行で、装幀が違います。

最近買い直されたのかピカピカの新品みたいにきれいでした。

(図書館本では珍しいです)

 

「女には向かない職業」というタイトルは

原題“AN UNSUITABLE JOB FOR A WOMAN”

のほぼ直訳ですが、現代ではジェンダー的に

ひっかかる人がいるかもしれません。

ハヤカワミステリでの初版が1975年ですから、

そのへんは仕方ないですね。

読み始めれば、そういうことも全く気にならないほど

おもしろかったです。

 

主人公は、若い女性の探偵コーデリア

冒頭からびっくりした。

バーニイ・プライドが死んだ日の朝ー

(中略)

コーデリアランベス・ノースの向こうの

イカルー線で事故にぶつかり、出社に

三十分遅刻した。

(「女には向かない職業」より)

探偵事務所を営んでいた所長の

バーニイが自殺したことで、コーデリア

ひとりきりの探偵となってしまった。

周りから“女には向かない職業”だと

言われながらもコーデリアは依頼を引き受ける。

ついには、コーデリア自身が

「女には向かない職業、というわけですね?」

と相手に言う場面が出てくる。

それに対して、

「いいや。実に向いていると思いますよ、

だって、限りない好奇心、限りない苦痛、

そして他人の生活に干渉するという興味を

要求されるんですからね」

(「女には向かない職業」より)

なんて嫌味を言われる。(-ω-;)ウーン

 

古今東西、女性の探偵がいないわけではもちろん

ないが、一匹狼でやっているパターンは少ない

ように思う。

相棒がいたり、警察関係者に協力者がいたり、

女性には難しい部分を補っていることが多いと思う。

しかし、コーデリアはクールでかっこいい。

ハードボイルド小説並みに体を張っているのだ。

 

コーデリアが依頼された事件の謎を解くさまは、

ひとつひとつのピースを当てはめていくようで、

まさに本格物。

コーデリアの活躍にほれぼれしていたら、

最後に、“影の大物”が登場して、コーデリア

せっかくの腐心を台無しにしてしまうのだ。

(ちょっと泣きそうにはなる・・・)

 

せっかくの腐心を台無し と書いたが、

不思議、なんだか嫌な気分ではないのだ。

これまたかっこいいんだなあ~

 

作者独特の比喩がまわりくどいときもあったが、

舞台となるイギリス、ケンブリッジの空気感が

よく伝わってきた。

探偵ものとしても、本格ものとしても、

お仕事小説としてもいろいろ楽しめる小説

だと思う。

続編を読もうと思っている。