「スタイルズ荘の怪事件」(アガサ・クリスティー 著/矢沢聖子 訳)を
読みました。
12月の週末、ケーブルテレビで「名探偵ポワロ」全シリーズを
放映していて、懐かしく何作か見ました。
(当時はNHKでやっていた)
エルキュール・ポワロ役のデヴィッド・スーシェ氏と熊倉一雄さんの声が
もう大好きで、あの頃夢中で見ていたし、
クリスティーの原作も何度も読みました。
ハヤカワ・クリスティー文庫を全巻集めていますが、
まだ達成できていません。
そんな中、今回「カーテン」というポワロシリーズ最後の事件を
初めて見たところ、
その舞台が“スタイルズ荘”というポワロ初登場の事件(の舞台)
と同じであることがわかりました。
「カーテン」は原作も読んでいないことがわかり、さっそく購入。
ページを開きかけたところで、
「まずは、「スタイルズ荘の怪事件」から読んだ方がいいかも」
と思ったのでした。
前置きが長くなりました。
「スタイルズ荘の怪事件」(原題:The Mysterious Affair at Styles)は、
時は1916年、第一次大戦中のこと。場所はイギリス エセックス州。
傷病兵として帰還したヘイスティングズ大尉は、旧友ジョンの招きで
スタイルズ荘を訪れる。
その屋敷で、ジョンの義理の母親で女主人のエミリーが毒殺される
事件が起き、ヘイスティングズは偶然再会したポワロに事件の捜査を頼むのだった。
若い頃は、オーソドックスなお屋敷ミステリーとして
犯人探しを楽しんでいたと思う。
ほとんどの手がかりが登場人物の会話の中にあり、
その会話に翻弄されているうちに、作者の術中にはまってしまう。
ポワロが作中で言っているように、ヘイスティングズは素直な性格で
隠し事ができないたち。ポワロは犯人を油断させるために
わざとヘイスティングズに偽の考えをうちあけたりする。
「だますつもりはなかったのですよ、モ・ナミ(mon ami:我が友)」
そうよ、私もだまされたよ~
ポワロはベルギー人。ベルギー警察では敏腕刑事として活躍していた。
(その頃 ヘイスティングズと知りあう)
しかし、第一次大戦でイギリスに亡命。
(ドイツがフランスを攻めるために当時永世中立国のベルギーを
侵攻したため)
ポワロはフランス語を連発するので、
「フランス人ですか?」とよく聞かれるが、そのたび
「ベルギー人です」とむっつり答えている。
故国を後にし、異国で新しい生活を始めたポワロ。
どんな思いだったのだろう。
典型的なお屋敷ミステリー。
最後に登場人物を挙げておこうかな。
この中に犯人がいます! ↓
・エミリー・イングルソープ・・・殺害される女主人
・ジョン・カヴェンディッシュ・・・エミリーの義理の息子
(エミリーの前夫とその妻との長男)
・メアリ・カヴェンディッシュ・・・ジョンの妻
・ローレンス・カヴェンディッシュ・・・ジョンの弟
・エヴリン・ハワード・・・エミリーの友人
・シンシア・マードック・・・エミリーの旧友の娘 薬剤師
・ドーカス・・・メイド頭
これが今年最後の本。
次は、どどーんと飛ばしてポワロ最後の事件「カーテン」を
読むことにします。