「「線」の思考 鉄道と宗教と天皇と」(原武史 著)を読みました。
鉄道の本はいくつか読みましたが、私は特に鉄道好きではないし、
あまりに詳しすぎる内容はついていけないこともありました。
でもこの本はとてもおもしろかったです。
著者の原武史氏は、私のひとつ上。ほぼ同世代です。
天皇や皇室に詳しい政治学者ですが、鉄道好きとしても有名だそうです。
(毎日新聞書評欄「今週の本棚」2020.11.28 より)
取り上げられている鉄道だけ挙げておきましょう。
2017年10月から、「小説新潮」連載のために取材旅行を続け、
終わったのは2020年2月。
最後の取材はコロナの感染が目立ち始めた頃でした。
「ギリギリだった」と著者もあとがきで書いています。
鉄道に乗り、車窓の景色を楽しみ、車中で駅弁を食べ、
駅前でおそばやラーメンを食べ、タクシーやバスで行きたいところに
行き、ホテルに泊まり、大浴場の湯につかり、朝食バイキングを
食べ、お土産をあれやこれやと悩みながら選び、帰りの車中で
疲れて眠る。
そんななんでもない普通の旅行が、なんと贅沢なことか。
元気でいればきっといつか行ける日が来ることを信じて・・・