もりっちゃんのゆるブログ

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「特別展 古代メキシコ」へ その2

今回は「特別展 古代メキシコ」で観覧した古代メキシコ文明の出土品のうち、テオティワカンで発見されたものを紹介します。

テオティワカンは、現在のメキシコの首都メキシコシティの近く。(ちなみにメキシコシティはテノチティトランという舌を噛みそうな名前でした)

 

死のディスク石彫(テオティワカン文明)

テオティワカンにある太陽のピラミッド、正面の太陽の広場から出土した。地平線に沈んだ夜の太陽を表していると解釈される。

 

火の老神石彫(テオティワカン文明)

太陽のピラミッド頂上部から出土。火に関わる儀式で使われた。

 

耳飾りを着けた女性立像(テオティワカン文明)

生贄埋葬墓(!)の中心から見つかった。白目の部分には貝、瞳には黄鉄鉱、歯は貝の象嵌である。

 

立像(テオティワカン文明)

羽毛の蛇ピラミッドで見つかった古代トンネルから出土。王墓があったとされる最奥部はほぼ盗掘されていた。

 

トランペット(テオティワカン文明)

巻貝の先端が切り取られた吹奏楽器。どちらもテオティワカンではみられない美術様式と内容の絵が描かれている。

 

鳥型土器(テオティワカン文明)

モデルはアヒルのようだが、貝などの装飾がたくさんついていて、カラフルでかわいい。

 

人形骨壺(テオティワカン文明)

 

香炉(テオティワカン文明)

先祖、神を崇拝する儀式用具と考えられる。赤や緑の彩色が美しい。

 

次回は、マヤ文明の出土品を紹介します。

 

「特別展 古代メキシコ」へ その1

昨年から楽しみにしていた「古代メキシコ展」。入院で行けるかどうかと思っていましたが、無事行くことができてよかったです。

 

メキシコには、前15世紀から前16世紀にかけて古代文明が栄えていました。その中から、マヤ、アステカ、テオティワカンという3つの文明の出土品が紹介されています。

初めて見るものばかりで、とてもドキドキし興奮しました。

全ての展示品が撮影OKでしたので、少しずつ分けて紹介します。

 

初めは、3つの文明が栄えた“メソアメリカ”地域について。

16世紀にスペインが侵攻するまで様々な古代文明が栄え、今もその伝統が残っています。一般的にメキシコの大部分と中央アメリカのグアテマラベリーズエルサルバドルおよびホンジュラスニカラグアコスタリカの一部を指します。

装飾ドクロ(アステカ文明

頭蓋骨をマスクに加工したもの。銅鈴や貝殻と共に供物として埋められた。

 

フクロウの土器🦉(マヤ文明

フクロウは、地下世界の死者、死を予言するものと考えられてきた。

 

チコメコアトル神の火鉢(アステカ文明

トウモロコシは新大陸を代表する栽培植物の一つ。

チコメコアトルは“7の蛇”の意で、熟したトウモロコシの女神。手に持っているトウモロコシは笏なんですね。

 

次回はテオティワカンの文明を紹介します。(^^)/

 

「緑衣の鬼」を読みました

緑衣の鬼 (江戸川乱歩文庫)

「緑衣の鬼」(江戸川乱歩 著)を読みました。

ちょっと恐ろし気な表紙のシリーズ2作目です。

 

探偵作家の大江白虹(おおえはっこう)と新聞記者の折口幸吉は、夜の銀座で巨大な影に襲われていた笹本芳枝を助ける。翌日折本が笹本家を訪れ芳枝の夫である静雄が殺されているのを発見するが、のち死体は消失してしまう。一方、芳枝はトランクに詰め込まれた姿でホテルで救出される。

(「緑衣の鬼」あらすじより)

 

「緑衣の鬼」は少年探偵団シリーズで読んだことがあると思っていたけれど、「こんな話だっけ」と内容は全く忘れていた。

日常生活をしていて犯罪にぶち当たるなんてことはそうそうないはずだが、このシリーズではそんなふうに物語が始まってしまう。「名探偵コナン」みたいだ。

探偵作家の大江が立場上 探偵役を買って出るが、物語の半ばで本物(職業として)の探偵 乗杉龍平が登場。大阪弁で言うなら“けったいな”探偵だが、鋭い推理を働かせ・・・

 

ホラーな要素を除けば、犯人捜しは容易。なのに、乗杉探偵も言っているが、目立つ部分にとらわれて、肝心なところを見落としてしまう。

そのへんはさすがの乱歩だ。

 

次は、名探偵 明智小五郎が登場する「黄金仮面」の予定。

 

春の花

予想よりずいぶん遅れましたが、近所の桜がやっと開花しました。

膨らんだつぼみもたくさんついているので、次々咲き出すでしょう🌸

 

道路の隙間には小さなスミレを見つけました。

しばらく気温が高くなりそうなので、どんどん春の花が咲き始めると思います。

楽しみですね!

 

Lavy's Cafeのランチセット

28日は退院後初めての診察日でした。

順調に回復していると言われ、ほっとしました。血液検査の結果、服薬の必要もないことがわかり、あとは傷跡の回復と1年後の経過観察ということでした。

とりあえずはひと段落というところです。

 

駅前のLavy's Cafeでランチセットをいただきました。

デミソースのオムライスとミニサラダ、ホットカフェオレにしました。

オムライスの卵の上にはとろけるチーズが載っていました。

外食は久しぶりで、気分的にも満足💖 とてもおいしかったです。

 

次の診察は5月。

暖かくなってきたし、少しずつ外出の計画も立てたいなと思っています。

 

「琥珀の夏」を読みました

琥珀の夏 (文春文庫)

琥珀の夏」(辻村深月 著)を読みました。

辻村作品は何作か読んでいます。もちろんすべてを読んだわけではありませんが、辻村氏の“女子小説”は逸品だと思っています。女子は女の子という意味ではなく、女性の中にある女子部分という意味で、大人になっても老齢になっても残っているもの。愛しいものだけれど、他人を傷つけることも多い、子どものころから持っている特性のようなものです。

 

かつて、カルトだと批判を浴びた<ミライの学校>の敷地跡から、少女の白骨遺体が見つかった。ニュースを知った弁護士の法子は、胸騒ぎを覚える。埋められていたのはミカちゃんではないかーー。

小学生時代に参加した<ミライの学校>の夏合宿で出会ったふたり。法子が最後に参加した夏、ミカは合宿に姿を見せなかった。

30年前の記憶の扉が開くとき、幼い日の友情と罪があふれ出す。

(「琥珀の夏」honto商品紹介より)

 

学校でも家庭でも繰り広げられる“女子あるある”が満載。ため息をついたり、にやりと笑ったり、あるあるに触れた反応は様々だろう。自分の中に潜む女子部分に気づかされて、不穏な気分にもなった。

カルト的な新興宗教自己啓発集団の問題も孕んでいるので、今村夏子氏の「星の子」を思い出したりもした。

moricchan24.hatenablog.com

 

それでも一番考えさせられたのは、親子問題、自分の子どもの子育てや教育の有り方だった。

主人公の法子が娘の藍子の保活(保育所を探す活動)に悩む場面があり、法子も「子育てには当事者にしかわからない矛盾がある」と実感していく。このエピソードによって、物語が重層的になっていると思った。

読み進める間、自分の子育てや教育方法?みたいなものに、後悔や惨めな思いを何度も感じた。でもその後悔や惨めさは、逆に自分を苦しめる。後悔や惨めさの中で育った子どもも、育てた親ー自分も否定することになるから。そんなふうに育てられた子どもはなんなん? 育てていた自分はなんなん? その問いに答えることはできない。

そろそろ子育てしていた自分を許してあげたいと思うが、これがなかなか難しいのだ。

 

タイトルになっている「琥珀」は、こんなふうに描かれている。

それは、<ミライの学校>という組織の中に彼女たちを閉じ込め、時を止めて、思い出を結晶化していたのと同じことだ。琥珀に封じ込められた、昆虫の化石のように。

(「琥珀の夏」より)

子ども時代の忘れられない記憶や思い出が、それぞれの琥珀の中に封じ込められている。きっと誰の胸にも琥珀はある。

法子の琥珀は砕けてしまったけれど、このあときっと新しい琥珀が生まれる。そう思いたい。

 

「三角館の恐怖」を読みました

桜🌸、咲き始めたところもあるみたいですが、この辺ではまだまだ・・・です。

今日は久しぶりに晴れて、洗濯物が干せてほっとしました。取り入れるとき、張り付いていた大きな蛾も家の中に入れてしまい、大騒ぎになってしまいました💦

虫たちも動き出しているなと感じました。いいお天気の日は散歩に行きたいです🌞

 

三角館の恐怖 (江戸川乱歩文庫)

「三角館の恐怖」(江戸川乱歩 著)を読みました。

 

図書館に春陽堂から新たに出た江戸川乱歩文庫が入ったので、ひっさしぶりに読んでみることにしました。

江戸川乱歩といえば、私にとっては少年探偵団、怪人二十面相シリーズです。小学校の図書室で夢中になって読みました。とはいえ、これは少年少女向きに編集されたもので、原作はなかなかにエグいです。

 

築地に奇妙な西洋館が建っていた。正方形の敷地を対角線で半分に割り、建物も中央のエレベーターを境に分割されている。付近の人々に“三角館”と呼ばれるその屋敷を、二軒の住宅としてそれぞれの家族と暮らしているのは双子の老人蛭峰兄弟。遺言により、二人のうち長く生きた方が家督を継ぎ巨万の富を相続することになっていた。雪の日の深夜に鳴り響く銃声。警視庁の名探偵といわれる篠警部が捜査に当たるなか、第二の事件が起き・・・。

(「三角館の恐怖」あらすじより)

 

館もので、間取り図満載(笑)。

途中で“読者への挑戦”をするから、一見無駄に思える描写にも注意を払うようにーなんて忠告もあって、作者は親切だ。注意は怠らなかったのに、やはり犯人はわからなかった。それでいいのだ。古典的なトリックや現代ではほぼありえない動機。それでいい。

乱歩の描く世界に入り込み、そのなかで漂う。登場人物たちと一緒に歩き回る。そんな楽しみ方がいい。

警視庁の篠警部がホームズ役で、弁護士の森川五郎氏がワトソン役。二人は旧友で、銀座で食事をするのだが、その店が“雄鶏亭”や“花籠亭”という名で、想像をかき立てられる。“雄鶏亭”は洋食で、“花籠亭”は和食のイメージ。

 

ただ、古い作品のため、どうしても差別的・不適切表現が多い。残念なことだが、そういう時代だったいう認識も含めて、作品を味わうことが必要だ。

 

次は同じシリーズの「緑衣の鬼」を借りてきた。続けて読めるかな。