もりっちゃんのゆるブログ

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「キリング・ヒル」を読みました

ちょっとずつしか良くならない風邪ですが、日にち薬でだいぶ良くなってきました。

梅や水仙、菜の花など春の便りが届きます。春はもうすぐですね。

でも、全く外へ出かけてないので、心がまだ冬・・・(笑)

 

キリング・ヒル (新潮文庫 オ 13-1)

「キリング・ヒル」(クリス・オフット 著/山本光伸 訳)を読みました。

 

本屋さんで見つけた文庫の帯に、“フォークナーに比肩する硬質な文体”と書いてあり、ちょうどフォークナーの作品を買ったところだったので、ゲットしました。

でも、フォークナーより先にこちらを読んだのでした。(笑)

 

死ぬには美しすぎる場所だった。

人里離れたケンタッキー州山間の窪地で、森閑とした自然が見守っていたのは、樹木にもたれた女性の遺体。米陸軍犯罪捜査官ミックは、郡保安官である妹に不審死の捜査協力を依頼されるが、一様に口を閉ざす田舎町特有の歪んだ人間関係の壁が、彼の前に立ちはだかった・・・。

(「キリング・ヒル」新潮社サイトより)

アメリカの作品を読むと、その国土の大きさに改めて驚くことが多い。舞台となる場所によって、まるで違う国かのように、暮らしも歴史も人々の意識も違う。

この作品の舞台はケンタッキー州。(大体、州でさえ、かなり広いのだ)

狭い丘陵地では法律以上に重要視される掟があり、人が殺されたらその復讐のために犯人は被害者の家族や知人から狙われ、やがて殺される。その復讐心は何世代にもわたって受け継がれる、と。

主人公のミックはそんな殺人の連鎖を止めるため、復讐が実行される前に犯人を捕まえたいと思っている。

復讐の連鎖はよくある設定だが、私は西部劇みたいだなと少し思った。プライドというか、被害者と自分の名誉を何よりも重んずる。なかなか理解できない。

 

事件の犯人は捕まるのか。復讐は防げるか。

家族と仕事の両方に問題を抱えていたミック自身のこれからも気になった。