もりっちゃんのゆるブログ

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「ジェゼベルの死」を読みました

第72期王将戦が昨日から始まった。(これを書いているのは9日)

現在タイトルを持つのは藤井聡太王将。

対する挑戦者は羽生善治九段。

この黄金カードに、羽生さんが挑戦者に決まってからずっとドキドキしていた。

この王将戦に羽生九段はタイトル通算100期達成が懸かっている。

一方、ダントツの強さの藤井王将はタイトル戦いまだ負けなし。

一度も落としたことがないのだ。ひえ~

七番勝負なので、まだまだ先は長い。

勝負飯やおやつも含めて目が離せない👀

 

ジェゼベルの死 (ハヤカワ・ミステリ文庫 57-2)

「ジェゼベルの死」(クリスチアナ・ブランド 著/恩地美保子 訳)を読みました。

 

確か2年前だと思うけれど、早川書房の「このミステリがヤバい!」フェアで

紹介されていた4作品の1作。

ミステリ作家の推薦コメントが帯についており、この正月に本屋さんで

まだ平積みされているのを見つけ、4作品すべて購入するか迷い、やめた。

この「ジェゼベルの死」は一度図書館で借りている。

だが、まだハヤカワ文庫が大きいサイズになる前の版(1990年版)で、

字がめちゃめちゃ小さい。

これは無理! と早々に読むのをやめたのだ。

今の版だと字も大きい。買って読みたい。

ついでに4作品とも買うか・・・

逡巡した末、字の小さい図書館本を再び借りて読むことにした。

 

先の推薦コメントは、円居逸氏が次のように書かれている。

「超絶技巧(はなれわざ)だ。一つの事件を丁寧にいじくり倒し、

丹念にひっくり返す・・・なのにあの真相に気づけないなんて!」

古い作品だが(初版は1979年)、いまだ海外ミステリーランキングに

名を連ねる。

 

ときは1947年、ロンドンのエリージアン・ホールで帰還軍人のための

見本市が催される。

そこで行われるページェント(舞台劇)を控えて練習や準備をしている

とき、3人の出演者に死の予告状が届く。

「おまえは殺されるのだ」

3人は7年前に自殺した青年 ジョニィの死に関わりがあった。

予告状はジョニィの関係者の手によるのか。

予告状を受け取ったひとり、パーペチュアに依頼され、

ケント州警察のコックリル警部がロンドンへ。

コックリル警部も見守る中、公演は始まるが、

主役のイゼベルが塔のバルコニーから転落。

イゼベルは絞殺されていた。

舞台の表は大勢の観客、裏は錠の下りた扉の前に張り番がいた。

犯人は舞台の出演者のなかに?!

 

戦後の混乱期で、マレーやスマトラからの引き揚げ者も登場し、

この時期のイギリスの状況がうかがえるが、この作品はパズルや推理ゲームとして

楽しんだ方がおもしろいと思う。

事件の起きた舞台で上演されていたのは、11人の騎士が登場する劇。

鎧兜の騎士の衣装では、中の人物がわからない。

それがきっとトリックなのだというのは、すぐにわかる。

問題はそこから。

 

どんでん返しは一度や二度ではない。

スリードも多いし、“レッド・ヘリング”(容疑者集団)が皆怪しい。

結末はキレッキレの切れ味ですっきりします!

 

さて、殺されたのはイゼベルという女性ですが、タイトルは「ジョゼベルの死」。

これは、旧約聖書からとられた名前で、

イスラエルのアハブ王の后であるジェゼベルが、不身持で不道徳、向こう見ずな

悪女だったことから、同じような悪評判のイゼベルが陰でそう呼ばれていたのだ。

聖書のジェゼベルも窓から転落死したと言われている。

 

海外の作品にひんぱんに引用されるのが、聖書、ギリシア神話シェークスピア

だろう。

これらに不案内な私は、毎回注釈に助けられている。

 

それにしても字が小さいのは参った・・・