カラッとした晴れの日。気持ちいいですね。
この前に読んだのが、中学校の吹奏楽部を舞台にした「楽隊のうさぎ」。
「ブラバン」は高校の吹奏楽部の思い出話と25年後の再結成の話。
・・・と思っていたから、どちらを先に読むか迷って、
「楽隊のうさぎ」を先に読んだ。
少し大人っぽくなった「楽隊のうさぎ」のイメージで、
「ブラバン」を読み始めたら・・・
全然違っていた。
出だしからしてこんなふうだ。
バスクラリネットの死を知ったトロンボーンとアルトサクソフォンは、
ちょっとしたパニックに陥った。互いがあまりに動揺しているもの
だから、二人は遂にバスクラリネットの秘密に気づいてしまった、
四半世紀を経て。
なんのこっちゃ、全然わからん。
アルトサクソフォン(略してアルトサックス)は楽器の名前で、
それぞれその楽器を演奏していた人を指しているのだろうと
察しはできる。
それが誰なのか、巻頭にある登場人物一覧(3ページある!)を
見ても、同じ楽器をいろんな人が演奏しているので、
わからないのだ。
わからんなあ、わからんなあ、と思い続けながら読み進め、
あるところで謎が解けるように納得する。その繰り返しだった。
氷が解けて、中に隠れていた真実が表に出る。
そのさまは、すっきりすることはするが「知らなければよかった」
ことも多い。
いやもう、ドンピシャ同世代である。
作品の語り手が、1980年に高校に入学した他片等(たひらひとし)
だから、私よりひとつ下の学年になる。
舞台は広島で、広島弁で繰り広げられる生徒同士の会話は、
語感は柔らかく見えて実はストレート。
当時流行った歌、音楽、テレビ、CM、ニュース、国際問題、
などが高校生時代の生活と共に一気に思い出される。
入った。
新しいことをやってみたかったのと、入学式でギタマンの演奏を
聴いたことがきっかけだった。
その練習場所が、体育館の下にあった半地下の小講堂という
スペースだった。
小講堂の隣は卓球場で、その隣は各クラブの部室がずらーと並んで
いて、まあ狭くて臭いスペース(笑)
部室や半地下のスペースを使うことも多く、がちゃがちゃと
いつもうるさかったです。
それでも人数が多く音も大きいブラバンは、
ギタマンからみれば羨ましい存在でありました。
卒業から四半世紀経って、40代前半。
再結成しようと探した元メンバーたちの現在の状況は?
それぞれが愛した音楽と、音楽を愛し続けた元吹奏楽部員の
物語だった。
洋楽には暗いので、洋楽の曲名やバンド名、メンバー名、
楽器のメーカー名など、知らないカタカナ語には手を焼いたが、
まあ気にせず読み飛ばしても差し障りはない、と思う。
(すみません、津原さん<(_ _)>)
もう一度読み返してみたい、感動的な作品だった。