昨日は美容院に行きました。4ヶ月ぶりです。
大体1ヶ月半に1回のペースで行っていたので、ずいぶん白髪が
伸びて、いっそこのままグレーヘアーにするかと思いました。
でもあまりに髪が伸びすぎて暑く重たくなってきたので
切りに行きました。
白髪染めもして、サッパリしました。
ただ、2時間座りっぱなしなのと、シャンプー台の仰向け姿勢で
腰の調子がまた悪くなってしまいました。
また湿布とコルセットの生活・・・
読みました。
養老孟司さんの「身体巡礼」「骸骨巡礼」がヨーロッパ世界各地を
廻る話だったので、頭の中が世界(◎o◎)なうちに、と思い、
選びました。
池内紀(いけうちおさむ)さんをご存知ですか?
私は、新聞の書評欄で知ったお名前です。
ドイツ文学者で、ドイツ文学の翻訳や研究を専門になさって
おられましたが、昨年(2019年)8月に急逝されました。
池内さんの書評を楽しみに読んでいたので、
本屋さんの追悼コーナーでこの本を見つけたとき、
1冊は著書を持っておこうと思い、購入しました。
特にドイツ文学が好きなわけでもなく、それどころか
恥ずかしいことに 海外の文学はどちらかというと苦手。
だから池内さんが書評を書かれた本を読んだことはありません(^^ゞ
でも書評は好きでした。
翻訳は翻訳対象の言葉に広く通じていないといけないのは当然です。
私はそれよりも日本語に通じていること、それが大事だと
思っています。
翻訳としては正しいのかもしれないが、日本語としてうーん、という
文章はとても読みにくい。
池内さんの文章は何より読みやすく、難しいことばをなるだけ
使わず、ん?とつっかえるところが全くありません。
それでいて、ロマンチックで愛情に溢れた文章です。
ユーモアもあります。
もうあの書評を読めないのかと思うと寂しい。
この前ブログに書いた「骸骨巡礼」「身体巡礼」の養老孟司さんは
1937年(昭和12年)生まれ、
池内紀さんは1940年生まれなので、83歳の養老先生より3つ下の
80歳だったのですね~
さてこの本、購入したきっかけが上記の通りなので、
内容は読むまでわからず(^^ゞ
「消えた国」とは東プロシアのこと。
東プロシアって国、あったっけ?
はい、いちおう高校で世界史を履修しました。
好きな科目でした。
プロシア帝国があった気がする。今のドイツだ。
それが分裂したのか?
( ↑ これは間違っています)
もし世界地図があったら、バルト三国付近を開いてください。
ネットでもすぐ見られます。
バルト三国は北から、エストニア、ラトビア、リトアニア(エ・ラ・リ
と覚えます)。
そのリトアニアの南に小っちゃく、ロシアの飛び地があります。
どうしてこんなところにロシアの飛び地があるのか。
以前息子とそんな話をしたとき、
「ロシアは手放さなかったのだろう。バルト海に面しているので」
と言っていました。
「ふうん、そんなものか」と思っていました。
私の持っている地図帳(1997年)にはその名(ドイツ名)で
載っていますが、ネット地図を見るとカリーニングラード(ロシア名)
になっています。
名前も変わりましたが、もう昔のケーニヒスベルクは街自体が
全てなくなってしまいました。
リトアニアのクライペダあたりからずーっとバルト海沿いに下りてきて、
カリーニングラード、ポーランドのグダニスク、グディニャあたりまでが
東プロシアの領土で、そこに住んで暮らしていたドイツ人は
国がなくなると共に、その地を追われたのでした。
この本は紀行文です。
池内さんが過去3度、元東プロシアの地を訪ねた旅をまとめた
ものです。
一番心に残ったのは、池内さんのまさざし。
旅で出会ったその地の人々に対する敬愛の念と、優しいまなざし。
でも、歴史の事実に対しては厳しい。
私には知らなかったことばかりで、ドイツの埋もれた歴史を
知ることができました。
そして、少しはドイツの文学も読んでみようと思いました。