「フランス白粉(おしろい)の秘密」(エラリー・クイーン 著/
越前敏弥・下村純子 訳)を読みました。
エラリー・クイーンの国名シリーズ、2作目です。
原題は「The French Powder Mystery」。
今回の表紙にはクイーン警視も入っています。
ちょっと“じじむさい”感じで、私は不満。
確かに白髪の老警視なんだけど・・・
作品の舞台は前作と同じ、アメリカ・ニューヨーク。
五番街にある「フレンチ百貨店」のショーウィンドウの中で、
正午過ぎに実演が始まった。
壁のボタンを押すと、その壁に格納されていたベッドが
降下する仕掛けだ。
しかしベッドと共に降下してきたのは女性の死体で、
「フレンチ百貨店」の社長夫人、ウィニフレッド・マーチバンクス・
フレンチだった。
被害者の社長夫人は、前日の午後11:45に百貨店の6階にある
社長サイラス・フレンチのアパートメントを訪ねてきていた。
守衛に社長の留守を聞かされても、「いちおう行ってみる」と告げて。
しかし、その後翌日の百貨店開店時まで人の出入りは全くなかった。
前作「ローマ帽子の秘密」を読んだとき、
シルクハットのことをローマ帽子というのかと思って調べたが、
全然関係なかった。
「ローマ劇場」で起こった、帽子に関する謎という意味だけで、
今回の「フランス白粉」もそんな白粉があるわけではない。
「フレンチ百貨店」で起こった、白粉に関する謎という意味だ。
怪しい人物が山のようにいて(登場人物表が欠かせない)、
関係あるのかどうかさえよくわからない証拠品が山のように発見され、
盛り上がったところで、「読者への挑戦状」を受ける。
今回は全然わからなかった。
犯人を追い詰め、ラストの1行でその名が明かされるが、
えーっ! と思った。
次作は、もうちょっと頑張ってみる。(笑)