もりっちゃんのゆるブログ

楽しく、でも真面目に。 そんなブログを書いています。

「インディペンデンス・デイ」を読みました

さみ~、さみ~!!

声がかすれた猫のような鳴き声をあげてしまいます。

毛糸の帽子を被っても耳が冷たい・・・

早く寒さがおさまってほしい。 

日本海側では大雪になっています。スキー場はともかく

雪かきは大変でしょう。

 

インディペンデンス・デイ

「インディペンデンス・デイ」(原田マハ 著)を読みました。

主人公は全部女性の短編集です。

タイトルは独立記念日という意味。

単に経済的に自立するというだけでなく、女性が持つ悩みや

しがらみ、自分を束縛するもの、呪縛されている観念などから、

一歩踏み出す、新たな旅立ちをする、その瞬間を描いています。

 

第1話「川向こうの駅まで」の主人公が、新しい町で部屋探しするのに

お世話になった不動産屋の八木橋さん、という人物が、

第2話「月とパンケーキ」では主人公になる。

「月とパンケーキ」で八木橋さんが飲みに行くバーのソムリエである

鈴木さん、という人物が、第3話「雪の気配」の主人公に・・・

と、チェーンのように主人公がつながっていき、

最終話「川面を渡る風」で再び第1話の主人公に戻る、という

構成になっている。

短編の一つ一つを一つの話として読み、

全24話を通して大きな長編を味わう。

一冊で二度おいしい作品だ。

実家から独立して今日までのあいだ、知り合ってつながり

合った人々。その人たちや、その人たちからまたつながって

いる誰か。私たちはこうして、ひとりひとりつながっている

んだ。ゆるやかなつながりの中で、はればれと凛々しく独立

していくんだ。それぞれの人生に、潔く向かい合うために。

  (「インディペンデンス・デイ」より)

 

次は誰が主人公になるんだろうと予想しながら読めたし、

比較的若い年齢の女性が多かったが、女性の抱える心の荷物は

共通するものも多く、共感できた。

この年になって独立もなにもないと思っていたが、精神的な独立は

いくつになってもできるのだと思った。

 

第8話「誕生日の夜」が、「NHK国際放送が選んだ日本の名作 

1日10分のごほうび」に収録されています。

1日10分のごほうび NHK国際放送が選んだ日本の名作 (双葉文庫)

この「誕生日の夜」を読むために借りた本でした。

思った以上に感動を与えてくれた本でした。