「誘拐犯」(上)(シャルロッテ・リンク 著/浅井晶子 訳)を読みました。
「裏切り」に続く女性刑事ケイトのシリーズです。昨年刊行され、書店で買うかどうかずいぶん悩みましたが、図書館で予約をかけることにしました。早く回ってきてよかった!
女性の刑事ものとしては珍しく、ネクラで自分に自信の持てない性格のケイトに、だんだん肩入れしていくのが不思議でした。
前作「裏切り」から約3年。ケイトは41歳になっている。変わらずロンドン警視庁で刑事を続けている。ちょっと驚いたのは、ケイトがいわゆるマッチングアプリで男性と知り合い、実際にデートをしていることだ。自ら行動を起こして、変わろうとする強い意志が感じられた。
父親が亡くなり、空き家になった実家を貸し出していたケイトだったが、借り主が家をとことん汚した挙句に逃げてしまった。実家を処分する決意をしたケイトは、近くに宿をとり手続きを始めようとするが、宿の経営者夫婦の娘アメリーが行方不明になり、ケイトはその事件に巻き込まれる・・・
事件が起きると、被害者の家族はもちろん、加害者だと疑われた人、その家族のその後の生活も一変する。事件が起こる前の状態には決して戻らないことをつくづく思い知った。
思春期の少年少女が親に反発して、隠れて秘密を持ったり、わざと危険な行動に出ることは往々にしてあることだが、悲劇が起きないようにはできないものか。親と子どもの思いが交わることは無理なのだろうか。考えさせられた。
怪しい人間は何人かいるが、まだ犯人は見通せない。事件の真相と共に、ケイトのプライベートも気になるところだ。
下巻に続く・・・
(ケイトが思いを寄せたスカボロー署の警部ケイレブも引き続き登場するが、この二人は全然接近しない。うーん、どうなっていくのかー)
明日は実家に行ってきます。親が支援の必要な状態になってきました。はたから見ると「必要やろ」と思うことでも、本人たちは「必要ない」と頑なです・・・
親を既に見送った旦那さんからは、「思うようにはいかない。心配していると伝え続けるしかない」と言われています。