大阪歴史博物館で開催中の特別企画展「異界彷徨ー怪異・祈り・生と死ー」へ行きました。
古くから、人びとは自分たちのいるところとは異なる世界、すなわち「異界」を意識してきた。天変地異や災厄などの人智の及ばぬ物事の原因を理解し、生の苦しみや死の恐怖を克服するために人びとはこの世ならざる世界を想像してきたのであり、異界とは私たちの生活を基層で支える概念ともいえるものである。
(企画展パンフより)
入り口はこんな感じ。 ↓
撮影ほぼOK、SNSアップOKでしたが、照明が暗く(展示品保護のため)写りが不明瞭なこと、お許しください。
「序章 異界のあらわれ」
「異界」とは1970年代から80年代にかけて広く用いられた語で、私たちのいる領域の外の世界をいう。異界には、災厄をもたらす妖怪や悪霊、富や幸福をもたらす神や仏が住まう。
(企画展パンフより)
河童は私の好きな妖怪の一つ。
「久の浜張子 天狗面」 ↑
「第1章 怪異と幻想」
古代の人びとは。動物の大量発生や奇異な天文現象などを凶兆として解釈した。時代が進むにつれ、天変地異や疫病などの災厄をもたらす存在が具体的に想像され、それらには名前や姿が与えられた。今日、妖怪と呼ばれるものの多くはこのように発生した。人智の及ばぬ事象や自然への畏敬の念が怪異を生み、人びとの間を跋扈していったのである。
(企画展パンフより)
「百鬼夜行図」 ↑
これはおもしろかった。手元に欲しいくらい(笑)
でもこれはモノクロなので。 カラーは楽しい。
「天狗像」 ↑
「河童凧」 ↑
「河童図」 ↑
やっぱり河童に目がいってしまいます・・・
「江戸凧 児雷也」 ↑
「阿波人形 山姥」 ↑
怖すぎ・・・
「第2章 祈りと願い」
科学万能の時代が到来する以前、日々の暮らしに安寧をもたらすためには、異界の力に頼るほかなかった。病を避けるには魔物を退ける呪術、つまり魔除けを施し、経済の安定をはかるには現世利益を叶える神仏に願いを伝え、吉祥を引き寄せてきた。そうして、人びとのなかでは、まさに生活の知恵として多彩な信仰が伝承されてきたのである。
(企画展パンフより)
「小絵馬」 ↑
「第3章 生と死」
生と死は、自分自身に起こった。また、起こることであるにもかかわらず、その全貌を知覚しえない事柄である。ゆえに、そこには異界の想像力がはたらく。新たな命の誕生はいまなお神秘的であり、異界の力を感じざるをえない。だから、私たちは出産の安全を祈り、折々で子の成長を寿ぐ。しかしながら、それほどまでに願っても、死は避けられない。死は恐ろしく、そして悲しい。死後の世界を想い、亡き人を手厚く葬ることは、個人だけでなく残された者の心も救ったのであろう。
(企画展パンフより)
疱瘡絵、これは「杏雨書屋」でも紹介したことがあります。
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「セタ」 ↑
撮影禁止だったが、「九相詩絵巻」(大念佛寺蔵)が一番興味深かった。
京都の西福寺でも見たことがあるが、「九相図」といって、人間が死後どうなるかを九つの段階で表してあるもの。初めて見ると、ちょっと気持ち悪くて怖い気がするが、9番目の相を見たとき、なんとも言えない安らぎを感じる。
今回の「九相詩絵巻」の9番目はちょっと泣きそうになりました。
このあとは、常設展を10階と9階だけ見て帰りました。
ガラス越しの難波宮跡。 ↓
ガラス越しの大阪城公園。 ↓