「決壊」(下)(平野啓一郎 著)を読みました。
下巻の表紙にはこのように紹介されています。
<悪魔>とは誰か?<離脱者>とは?止まらない
殺人の連鎖。ついに容疑者は逮捕されるが、
取り調べの最中、事件は予想外の展開を迎える。
明かされる真相。東京を襲ったテロの嵐!
“決して赦されない罪”を通じて現代人の孤独な
生を見つめる感動の大作。衝撃的な結末は⁉
(「決壊」(下)“表紙”より)
読むのが結構辛かった。
「模倣犯」執筆後、宮部さんは「しばらく現代小説は
書けなかった」とおっしゃっていたが、
“悪の連鎖”から目を離さずにいると、どうしても厭世的な
気分になる。
あと、何人かの母親、父親が登場してー
私は自分と同じ母親の立場で考えてしまうのだが、
親って何ともとんちんかんで愚かなんだよな~と思えた。
必死であればあるほど滑稽に見えてしまう。
それが悲しい。
結末はまさに衝撃的。
最後のシーンを、何度も何度も何度も読んだ。
夕日のオレンジと、ピカチュウの黄色。
ベンチの色も黄色と水色だった。
こんなに明るい色なのに、こんなに絶望的な最後
だなんて・・・
生きるための魂の拠り所みたいなものを、
失わないようにしたいと思った。
それは、人でもいいし、夢でもいい。
仕事や趣味でもいいし、自然やふるさとでもいい。
そっと寄り添ってくれる何かがあれば、
人は生きていけるのではないかと思った。