もりっちゃんのゆるブログ

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「皮膚の下の頭蓋骨」を読みました

今日は通院。明日も通院。明日から雨が続くみたいで

嫌だなあ~

 

皮膚の下の頭蓋骨 (ハヤカワ・ミステリ文庫 129-2)

「皮膚の下の頭蓋骨」(P.D.ジェイムズ 著/小泉喜美子 訳)を

読みました。

Amazonの画像では、前作「女には向かない職業」と

同じ装幀の文庫が出てきましたが、

実際図書館には、昭和61年発行のハヤカワ・ポケミス

(ハヤカワポケットミステリ)しかありませんでした。

   ↓

字が小さくて二段組で読むのに時間がかかるうえ、

家族には「黄ばんだ本!」と呆れられ・・・

「違うよ! ポケミスはほんまに黄色いねん!」と

言い返し・・・

ハヤカワのポケミスは、本当に本の天地と小口が黄色く

ビニールのカバーが付いていて、値段も文庫より高く、

私にはあこがれのシリーズでした。

読むのは大変だったけれど、ポケミスで読めてよかったな

と今は思っています。

 

「皮膚の下の頭蓋骨」は、「女には向かない職業」に

登場した探偵 コーデリアのシリーズ2作めです。

ちょっと怖いタイトルですが、予想を裏切らない

ゴシックミステリーだと思います。(笑)

 

イギリス本土から離れた架空の島、コーシー島にある

お城にコーデリアは招かれる。

「妻が脅迫状に怯えているので守ってほしい」という

夫からの依頼を受けて、妻である女優クラリッサの

臨時秘書として潜入したのだ。

その島のお城には、

クラリッサの義理の息子 サイモン、

クラリッサの従姉妹 ローマ、

クラリッサの付き人 トリィ、

演劇評論家 アイヴォ、

島の持ち主 アンブローズ、

執事 ムンター、

ムンターの妻でコックのムンター夫人、

雑用係 オールドフィールド、

そしてコーデリア

依頼人のクラリッサの夫 ラルストン卿、

計10人。

クラリッサを入れて11人。

そして殺人事件がー

 

孤島のお城に限られた人物。

クローズド・サークルの設定。

10人という人数。

イギリスのミステリーの女王の有名な作品を

思わせる設定だ。

 

クラリッサが女優であることから、

作中多くの演劇作品からの引用がある。

なんといってもシェークスピアの国ですから・・・

私は戯曲に詳しくなく、注釈もなかったので、

理解しにくいところもあった。

が、それを上回るおもしろさだった。

「女には向かない職業」でも冒険シーンがあったが、

今作でもコーデリアは危機一髪の状態になる。

 

読み終えて頭をよぎるのは、やはりタイトルの意味だ。

訳者の小泉さんがあとがきに書かれていた、

一遍上人の短歌がもう意味深で頭から離れない。

皮にこそをとこをんなのいろもあれ

骨にはかはるあとかたもなし

 

コーデリアのシリーズ、続きはあるのか調べてないが、

次作はジェイムズ氏の処女作「女の顔を覆え」を

読むことにします。(^^)/

(これもたぶんポケミス版・・・)