もりっちゃんのゆるブログ

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「指し手の顔 脳男Ⅱ 上」を読みました

北京冬季オリンピックが始まりました。

開会式の選手入場ではクラシック曲が使われていて、

意外でした。

華やかでも落ち着いた開会式だったと思います。

昨年の東京オリンピックに比べると、

テレビ放送も少ないけれど、自分のペースで応援

できています。 

選手の皆さん、ベストなパフォーマンスができますように。

 

指し手の顔 上―脳男2 (1)

「指し手の顔 脳男Ⅱ 上」

(首藤瓜於(しゅどううりお) 著)を読みました。

「脳男」の続編です。

前作「脳男」に登場した、精神科医の鷲谷真梨子と

茶屋警部がそのまま登場します。

「脳男」のラストが尻すぼみだとブログの記事に

書きましたが、

「脳男」の事件から半年後、すぼんだ出口が再び

広がりだします。

 

真梨子の自宅とオフィスに泥棒が入り、半年前の

事件の最重要人物 鈴木一郎に関するファイルが盗まれ、

それを真梨子が茶屋警部に相談するところから

話は始まる。

そんな中、地元の愛宕(おたぎ)市で残虐な事件が

続いて起こる。

それらの事件と鈴木一郎を、真梨子も茶屋も関連づけて

考えたことはまったくなかったのだが、

事件は意外な展開に・・・

 

残虐な描写は前作を上回っているようだし、

精神疾患と犯罪の関連性など微妙で繊細なテーマも

扱っていて、軽々にコメントすることができない。

ただ、このシリーズを読んでいてずっと考えていることを

書いておこうと思う。

 

ちょっと前、豚の心臓を重い心臓病の患者に移植した

というニュースがあった。

これにはもちろんいろんな意見があるだろうと思う。

私は「ついに来たか」と思った。

技術的にはここまで来たのかと。

心臓の移植手術は、脳死判定されたかたの心臓を移植する

ことが既に日本でも認められている。

心臓は、持ち主を離れても他の人を生かす貴重な臓器と

して、人々にも受けいれられ始めていると思う。

では、脳はどうだろうか。

医学的に可能かや、倫理的なことはおいておいて、

Aという人にBという人の脳を移植したとする。

その人はAなのか、Bなのか、はたまたCという別の人になるのか。

“脳”とは人間にとってどういう位置づけなのか。


人間の臓器を、体のパーツのひとつとして考えることに、

まだ慣れないでいる。

 

もちろん、こんなことを考えなくても、

エンターテインメントとしてじゅうぶん読ませる小説だ。

「指し手の顔」というタイトルの意味は、

上巻を終えたところでまだ全然わからない。

下巻では尻すぼみにならない

すっきりしたエンディングを望んでいます。(^^)/