もりっちゃんのゆるブログ

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「白夜に惑う夏」を読みました

金曜日は台風2号の影響でモーレツな雨でした。被害の出た地域もありましたね。

お見舞い申し上げます。

みなさまのお住まいは大丈夫でしたか。

私は午前中、美容院に行っていました。傘が役に立たないかもと思い、合羽とタオルもも持っていきました。靴はもちろんレインシューズで。

さいわい、まだ雨脚が強くなる前に帰ってくることができました。

 

昨日、今日はいいお天気になりました。🌞

今日はマンションの大掃除。🧹 30分でも汗をかきました💦

 

白夜に惑う夏 (創元推理文庫)

「白夜に惑う夏」(アン・クリーヴス 著/玉木亨 訳)を読みました。

「大鴉の啼く冬」に続く <シェトランド四重奏>第2弾になります。

 

moricchan24.hatenablog.com

 ↑ ここにも書いたように、シェトランド諸島は緯度が高いので夏は白夜です。

私はシェトランドはもちろん、北欧にも行ったことがないので白夜は体験したことがありません。どんな夏になるのか読みながら想像するのが楽しかったです。

 

「大鴉」の事件があった冬が終わり、シェトランドは夏を迎えた。

ペレス警部は前回の事件で知り合ったフランと恋人関係になっている。(何でこういうパターンが多いんだろ・・・)

フランが友人のベラと一緒に開いた絵画展に赴いたペレス警部は、絵を見て号泣する男に出会う。翌日、その男は桟橋近くの小屋で道化師の仮面をつけた首吊り死体となって発見されたのだった・・・

 

白夜は知らない人にとっては、睡眠リズムを乱す原因なるという。地元民にとっても特別な現象のようだ。

光のせいだ。昼間はぎらぎらと降りそそぎ、夜になっても消えない光。太陽は決して完全には地平線のむこうに沈まず、そのため真夜中でも、外で読書できる。冬があまりにも暗くて厳しいので、夏になると人びとは一種の躁状態におちいり、ひたすた活動しつづける。ふたたび暗い日々が訪れるまえに外に出て、それを最大限に活用し、楽しまなくては、という気分になるのだ。ここシェトランドでは、それは“夏の暗闇”と呼ばれていた。

(「白夜に惑う夏」より)

私たちでも春になるとうきうきした気分になるから、気持ちはわかる。三度の食事も外で食べたくなったり、散歩をしたくなったり。

 

ただ、シェトランドというところは、誰もが誰もを知っている特異なところだ。

ビディスタ(註:事件のあったまち)のようなところでは、関係を秘密にしておくことは不可能だ。だが、疑いをもった人たちは、それを自分だけの胸にしまっておいた。べつに陰謀がめぐらされたわけではない。その件が人びとのあいだで口に出して話しあわれたことは一度もないのだから。(略)誰も知りたくなかったのだ。シェトランドでは、ときとして知らずにいることが生きのびる唯一の方法となる。

(「白夜に惑う夏」より)

せっかくの待ちわびた夏に、事件が暗い影を落とす。事件は解決するけれど、住民には苦い記憶となってしまう。

小さな共同体で暮らしていくのは、こういうときしんどいなあと思った。

 

原題は“WHITE NIGHTS”、白夜。ほぼ原題通りの邦題でした。

次作、<シェトランド四重奏>第3弾は「野兎を悼む春」。続けて読むつもりです。