もりっちゃんのゆるブログ

楽しく、でも真面目に。 そんなブログを書いています。

「脳男」を読みました

武庫川の河川敷で早咲きの菜の花が咲いているそうです。

テレビ番組で紹介されていました。

見に行きたいな。🌼

 

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「脳男」(首藤瓜於(しゅどううりお) 著)を読みました。

この作家の作品は初めてです。

タイトルもインパクトがあり、表紙もちょっと怖い。

好みじゃなければ途中でやめても・・・(失礼!<(_ _)>)

と借りました。

予想をいい意味で裏切り、最後までおもしろく読めました。

(やや不満もあり。最後に書きます)

第46回江戸川乱歩賞受賞作(2000年)で、

ストーリーを少し変えて映像化もされていました。

 

愛宕(おたぎ)医療センターの精神科医 鷲谷真梨子は、

爆弾犯の共犯者の精神鑑定を頼まれる。

その容疑者は鈴木一郎と名乗っているが偽名で、

本名も家族、経歴も全くわかっていない。

鑑定を進めるうち、真梨子は「この容疑者には感情が

ないのでは」と疑うようになる。

真梨子は、容疑者を逮捕した茶屋警部と共に、

鈴木一郎の過去を調べる。

 

真梨子は、日本の医局制度になじめず、アメリカに渡った

過去を持っていた。

イバリエーション・センターという、犯罪者の精神鑑定を

行なう施設でも働いていて、銃で赤ん坊を射殺した

11歳の少年を担当した。

少年に寄り添ううち、真梨子は少年に必要なのは刑ではなく、

治療だと思い、奔走する。

しかし状況は変わらず、真梨子はついに被害者である赤ん坊の

両親に少年の免責を訴えに行く。

そのときまで真梨子は自分のことを善悪の区別を

常にはっきりと持っている人間だと考えていた。

犯罪の犠牲になった人たちの精神を診ることによって

彼らの傷を癒そうとしたのも、

イバリエーション・センターで犯罪者を分析して

いるのも、だれよりも人間の悪と犯罪を憎む

からこそだと。

(「脳男」より)

しかし、赤ん坊の母親から言葉を投げつけられる。

「あなたはいったいどちらの側に立っているの」

(「脳男」より)

その家をでたとき、真梨子にはなにが善でなにが悪で

あるかがわからなくなっていた。

(「脳男」より)

謎の容疑者 鈴木一郎の正体は明らかになるが、

私が一番印象に残った場面は、上記の箇所である。

 

病院での連続爆弾事件はスリルたっぷりで

盛り上がりもあるのに、最後が尻すぼみで残念。

えっ、これで終わり?!と思わず声に出してしまいました。

あと、内容やテーマはおもしろいのに、

「脳男」というタイトルで少し損をしているのでは

とも思いました。

モヤモヤするので、続編の「差し手の顔 脳男2」

(上下巻)、予約しました。