もりっちゃんのゆるブログ

楽しく、でも真面目に。 そんなブログを書いています。

「終の盟約」を読みました

巷は3連休。我が家は特に何も変わりません。

コロナが爆発的に増えてきて、いよいよ何か制限がかかるかもしれないと

思い、図書館で本を多めに借りてきました。

家で静かに過ごそうと思います。

 

終の盟約 (集英社文芸単行本)

「終(つい)の盟約」(楡周平 著)を読みました。

2020年2月発行の新しい本です。

内科医の藤枝輝彦は同居(二世帯住宅)していた父親の久が

認知症を発症していることに気づく。

久は「延命治療の拒否と、認知症の場合は病院か施設に入れること」を

書いた事前指示書を輝彦に託していた。

その指示書通り、専門病院に久を入院させた輝彦だが、ほどなく

久が心不全で急死。

その死因に輝彦と弟の真也も疑問を抱くが・・・

 

初めはミステリー(病死だと思ったら殺人だったみたいな)かと

思って読んでいたが、どうも違う。

ミステリータッチだが、社会問題を描いているのだ。

医療問題(延命治療、安楽死)、介護問題(認知症、自宅介護)、

格差社会(経済的、地域的、職業などの格差)、少子化問題

いろいろ盛り込まれている。

 

去年だったか、老後に2,000万円必要だという試算が発表されて

話題になった。

とにかく恐ろしい世の中になった、というのが当時の私の感想だった。

ぼやーっとした老後の不安が、急に数字になって突き付けられた

気がした。

この本を読んでその思いをあらたにした。

これで老後は安心だといえる金額にはきりがない。

安心して過ごせる「心の杖」のようなものがないと、

ずぶとく生きられないかもしれない。

 

楡周平さんの著作、初めてでした。骨太でした。