もりっちゃんのゆるブログ

楽しく、でも真面目に。 そんなブログを書いています。

引っ越しの思い出

今週のお題「お引っ越し」

父親が転勤族だったので、子どものときは3回引っ越しをした。
小学6年の4月末、急に岡山へ引っ越しになった。
それまで団地に住んでいたが、岡山では平屋の借家に住むことになった。
部屋が足らないので、私と弟の部屋は庭に建てたプレハブ小屋になった。

いろんな洗礼を受けた。
プレハブの部屋にはよく虫が出た。庭に建てたのだから仕方ない。
一番嫌だったのは、ものすごく足の長いクモだった。
「もうこの部屋はいやや」と言って泣いたが、
「じゃあ庭で寝なさい」と言われ、ますます泣いた。

おつりのくるトイレも初めて経験した。
臭いや暗さより何より、あの吸い込まれそうな穴が嫌だった。
落ちたらどうしようとそればかり考えて、トイレは苦痛だった。

小学校もその年で創立100年の古い学校で、
制服があり(男子つめえり、女子ブレザー)、集団登校だった。
転校生なのに6年なので、集団登校ではリーダーになり、1年を連れて
40分歩いて登校しないといけなかった。

一方、いい思い出もたくさんある。
お隣は犬を飼っていて、ちくわとアイスクリームが好きだった。
でも、すぐ食べずに庭に穴を掘って埋めるので、アイスは溶けてなくなってしまう。情けない顔をするその犬が大好きだった。

海釣りに初めて行ったのも岡山。
ママカリ、サバ、イイダコをこれでもかというくらい釣って、
無人島に船を泊めて、漁師さんに料理してもらって食べた。
たぶん、あんな美味しい魚を食べることはもうないだろう。

温暖な気候と美味しい魚や果物、そんな岡山にやっと慣れてきて、
いよいよ中学進学という1年後、再び引っ越しすることになった。
新しい家では、待望の自分の部屋が持て、もう足長クモに悩まされる
こともなくなった。
でも、虫嫌いが今日まで続いているのは、きっとプレハブ小屋の足長クモのせいだと思う。