先日ウォーキングの途中、水仙の写真を撮りました。
2種類咲いていました。
水仙はヒガンバナ科スイセン属で、ヒガンバナ同様毒があります。
学名はNarcissusといい、ギリシャ神話に登場する美少年ナルキッソスに
由来します。
ウイキペディアには ↓
ニンフのエコーは愛する美少年ナルキッソス(Narcissos)に
振り向いてもらうことができなかったので瘦せ細り、声だけの
存在になってしまう。エコーを哀れんだ女神ネメシスは、
したという。
と簡単に書いてありますが、話はもうちょっと複雑です。
エコーは狩りの女神アルテミスの美しいニンフ(精霊)のひとり。
彼女には「おしゃべり」という欠点があり、
夫のゼウスを探しにきた妃ヘーラーに、自分からしゃべることができない、
聞かれたことに応えることだけ許すという罰を与えられます。
ある日、エコーは美しい青年ナルキッソスに恋をします。
でも罰のせいで自分から声をかけることができません。
ナルキッソス:Here?(だれかいる? ここに)
エコー:Here.(いるわ。ここに)
ナルキッソス:Come!(来て)
エコー:Come.(行くわ)
応えることしかできないエコー。
残酷な言葉を放ち去っていきます。
ナルキッソス:お前に抱かれるくらいなら死んだ方がましだ。
その後エコーは身も心をやつれ、ついに声だけの存在になって
しまいました。
林や山で声がしたら、誰にでも返事をするようになりました。
ナルキッソスは他のニンフたちにも冷たい仕打ちをしており、
復讐の女神ネメシスは、ナルキッソスにも身を焦がす叶わぬ恋を
させることにしました。
ある日ナルキッソスが泉の水を飲もうとしてかがみこむと、
水の中に泉の精のような美しい青年がいました。
抱こうとして水の中に手を入れると相手はすっと消えてしまいます。
ナルキッソスはその場を離れることができなくなり、寝食を忘れ、
やつれていきました。
エコーを魅了した美しさも失われ、ナルキッソスに死が訪れたとき
その体は消えてなくなり、その跡にはひっそりと水仙の花が
一輪咲いていたのでした。
このお話は、こだま(ヤッホーというとヤッホーと返ってくるアレ)を
意味するエコーや、ナルキッソスのように自分を愛する傾向の強い人を
意味するナルシストの語源になっています。