3月になってぼやーっとしているうちに日が経ちました。
読書の記事がたまっているのでアップします(^^)/
「影踏み」(横山秀夫 著)を読みました。
- 消息
- 刻印
- 抱擁
- 業火
- 使徒
- 遺言
- 行方
7編の連作短編といえるし、ひとつの長編小説ともいえる作品。
雑誌に連載されたものがまとめられ、平成15年に発行されました。
主人公は“ノビ師”と呼ばれる職業泥棒。(泥棒は職業なのか?)
空き巣とは違って、家人が寝ている隙に“忍び込む”のが手口だ。
刑務所から出所するところから話が始まるが、主人公はすぐ
泥棒を始める。
主人公には亡くなった双子の弟がおり、その声を自分の耳の中で
聞きながら生きている。
まさに弟は彼の中で生きているのだ。
「影踏み」というタイトルの意味は、以下の部分からうかがえる。
・・・
双子というものは、互いの影を踏み合うようにして生きている
ところがる。自分ならそうするだろうと思うということは、
啓二(注:双子の弟)もまた同じようにそうする可能性が極めて
高いことを意味していた。・・・
(「影踏み」より)
犯罪と暴力の描写が多いので私好みではなかったけれど、
作品の世界へ引き込まれ最後まで読みきることができました。