もりっちゃんのゆるブログ

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「むらさきのスカートの女」を読みました

今日は比較的暖かいです。ずっと寒さが続いたのでほっとします。

ちょうど立春🌸 もうすぐ梅も咲き始めるでしょう。

春が待ち遠しいです💗

 

むらさきのスカートの女 (朝日文庫)

「むらさきのスカートの女」(今村夏子 著)を読みました。

2019年芥川賞受賞作です。

今村夏子氏の作品は「星の子」に続き2作目。

「星の子」の記事は ↓

moricchan24.hatenablog.com

 

不気味な話だった。

“むらさきのスカートの女”への「わたし」のこだわりが尋常じゃない。

語り手である「わたし」は、近所で見かける“むらさきのスカートの女”と友達になる機会をうかがっている。

つまり、何が言いたいのかというと、わたしはもうずいぶん長いこと、むらさきのスカートの女と友達になりたいと思っている。

(「むらさきのスカートの女」より)

 

“むらさきのスカートの女”の名前はしばらくして明らかにされるが、その後も主人公は“むらさきのスカートの女”と呼び続ける。

“むらさきのスカートの女”と11文字で綴られた女は、その文字と共に読者の脳内に相当なスペースを占めていく。

たんたんとした文体が冷静さを通り越して、不気味さを感じさせる。

「わたし」は“むらさきのスカートの女”の中に何を見たのだろう。何を求めていたのだろう。友達になってどうしたかったのだろう。

 

昨年、ニット(セーターやカーディガン)をだいぶ処分した。

毎年着ていてもなかなか捨てるほどには痛まず、あまり好きでもないのに着ていたものも多かった。

似合う色も年とともに変わっていく。衝動買いをせず、似合うもの、好きなものを選んで着たいと思う。

むらさきは難しい色で、洋服も持ったことがない。

そして、もう何十年もスカートを着ていない。(はいていない)

こんな私の脳内にも“むらさきのスカートの女”が侵略し始めている・・・