今日は比較的暖かいです。ずっと寒さが続いたのでほっとします。
ちょうど立春🌸 もうすぐ梅も咲き始めるでしょう。
春が待ち遠しいです💗
「むらさきのスカートの女」(今村夏子 著)を読みました。
2019年芥川賞受賞作です。
今村夏子氏の作品は「星の子」に続き2作目。
「星の子」の記事は ↓
不気味な話だった。
“むらさきのスカートの女”への「わたし」のこだわりが尋常じゃない。
語り手である「わたし」は、近所で見かける“むらさきのスカートの女”と友達になる機会をうかがっている。
つまり、何が言いたいのかというと、わたしはもうずいぶん長いこと、むらさきのスカートの女と友達になりたいと思っている。
(「むらさきのスカートの女」より)
“むらさきのスカートの女”の名前はしばらくして明らかにされるが、その後も主人公は“むらさきのスカートの女”と呼び続ける。
“むらさきのスカートの女”と11文字で綴られた女は、その文字と共に読者の脳内に相当なスペースを占めていく。
たんたんとした文体が冷静さを通り越して、不気味さを感じさせる。
「わたし」は“むらさきのスカートの女”の中に何を見たのだろう。何を求めていたのだろう。友達になってどうしたかったのだろう。
昨年、ニット(セーターやカーディガン)をだいぶ処分した。
毎年着ていてもなかなか捨てるほどには痛まず、あまり好きでもないのに着ていたものも多かった。
似合う色も年とともに変わっていく。衝動買いをせず、似合うもの、好きなものを選んで着たいと思う。
むらさきは難しい色で、洋服も持ったことがない。
そして、もう何十年もスカートを着ていない。(はいていない)
こんな私の脳内にも“むらさきのスカートの女”が侵略し始めている・・・