もりっちゃんのゆるブログ

楽しく、でも真面目に。 そんなブログを書いています。

「罪の声」を読みました

定期的に受けている血液検査の結果が思わしくなかった。

Σ( ̄ロ ̄lll)

夏の間、好きなものを自由に食べ、運動もしていなかったので、

当然の結果かもしれない。

薬が増えるのは困るので、食事を節制し、運動も意識して

やることにしよう(^^)/

 

罪の声 (講談社文庫)

「罪の声」(塩田武士 著)を読みました。

たまたまケーブルテレビでやっていた映画化された作品を、

最初の方だけ見て、「先に原作本を読もう」と思い

図書館で借りました。

1984年実際に起きた「グリコ・森永事件」をモチーフにした作品。

「グリコ・森永事件」は作中「ギン萬事件」としてあるが、

ほぼ史実通りに事件が再現されている。

 

約30年前に起きた「ギン萬事件」を、“昭和の未解決事件”として

取り上げることになった大日(だいにち)新聞。

文化部に所属する阿久津英二(映画では小栗旬)は、

その取材に参加することになる。

一方、京都で「テーラー曽根」を営む曽根俊也(映画では

星野源)は、「ギン萬事件」で使われた録音テープを

自宅で偶然発見し、驚き戸惑うのだった。

 

「グリコ・森永事件」が起きたとき、私は大学生だった。

もちろん大きな事件だったし、関西で起きた身近な事件

だったが、まだどこか他人事だったように思う。

今思い返すと、

「安心・安全」が声高に言われるようになったのは、

この事件の頃からではないだろうか。

キャラメルがフィルム包装されるようになった。

個包装も増えた気がする。

この事件の2年後(1985年)、日航機墜落事故が起こる。

日本中が空の安全を意識した。

事件や事故は日常の延長にあることを、

のほほんと生きていた私は思い知った気がする。

 

関西弁ベタベタの会話はきつく(きびしく)感じるかも

しれないが、地元民としておもしろい。

神戸生まれの阿久津と京都生まれの曽根俊也の言葉の

違いも感じられる。

「まぁ、この内容やったら、せいぜい五、六行やな。

高い取材費かけて、ええ? おまえ一行なんぼの記者

やねん。引退前の落合(おちあい)か」

阿久津が取材先のイギリスから帰ったとき、上司から

罵倒される場面。

パワハラ感満載だが、なんかくすっと笑ってしまう。

 

ラストは、過去の未解決事件のひとつの収束法を示していると思う。

パワハラ上司が最後に放つことばは、相当かっこいい。

「俺らの仕事は因数分解みたいなもんや。何ぼしんどうても、

正面にある不幸や悲しみから目を逸らさんと『なぜ』という

想いで割り続けなあかん。素数になるまで割り続けるのは

並大抵のことやないけど、諦めたらあかん。その素数こそ

事件の本質であり、人間が求める真実や」

(「罪の声」より)

 

今度ケーブルテレビで映画の放送があったら、

最後まで見ようと思う。