もりっちゃんのゆるブログ

楽しく、でも真面目に。 そんなブログを書いています。

「烙印」を読みました

今週はまだ湿度が低く過ごしやすいです。

でも週末からは天気がくずれ、来週にはいよいよ

梅雨入りしそう。

熱中症も気になるし、マスクの緩和も発表されたので、

戸外で人が側にいないときはマスクを外すように

しようと思っています。

でも、この付け外しが面倒くさい。

前から人が歩いてきたら、「あ、付けないと」と

思ってしまうし。

そう思うと付けたままの方が楽だというのも

わかります。

この何年かでマスクが必需品になり、

なんだか生活にしみついてしまいました。

 

烙印

「烙印」(天野節子 著)を読みました。

天野氏の作品はいくつか読みました。

今作は2010年の発行。

作中の事件も2010年に起こっている。

 

2010年9月、兵庫県養父市の畑から白骨が見つかる。

台風で崖崩れが起こり発見されたのだ。

その白骨は30年近く経過したものだった。

その約2か月後の11月、今度は東京都内の公園で

男性の首吊り遺体が見つかる。

自殺ではなく他殺とみられること、

死んだ男性は養父市の出身だったことから、

2つの事件が結びついていく。

 

これだけだとミステリーのよくある設定だが、

この作品の特徴はもうひとつ並べて描かれる

江戸時代初期のお話だ。

アラビアンナイトのようなおとぎ話だが、

月明りで美しく映える砂浜の風景と、

実際にあった悲しい歴史が私に強い印象を残した。

作者は

清麗なるも儚く哀しい恋の物語

と言っている。

 

「烙印」という言葉は、

鉄製の印を焼いて物に押し当てること。

刑罰として罪人の額などに行った。

という意味で、人に対しては悪いイメージで使われる

ことが多い。

何も罪を犯していないのに、烙印を押されてしまう。

その人自身には何の責任もないのに。

そんなことがあるのだということ。

それが身に染みて悲しかった。

 

ミステリーとしてのトリックも意外性が

ありました。

読後感もよかったです。