もりっちゃんのゆるブログ

楽しく、でも真面目に。 そんなブログを書いています。

「あの日、君は何をした」を読みました

 

あの日、君は何をした (小学館文庫)

「あの日、君は何をした」(まさきとしか 著)を読みました。

まさき氏の著書は「完璧な母親」、

「ゆりかごに聞く」に続き、3作目です。

moricchan24.hatenablog.com

moricchan24.hatenablog.com

これまで読んだ作品は、母子関係を母親の目線で

描いたものでした。

この作品にも何人かの「母親」が登場します。

 

2004年、中学を卒業したばかりの少年 大樹が、

夜中に自転車で出かけ、事故を起こして亡くなる。

これは間違いなく事故なのだが、なぜそんな夜中に

自転車で出かけたのか、それは謎のまま。

「あの日、君は何をした」の“君”は大樹を指し、

その疑問は最後の最後に明らかになるが、

なぜそんなことをしたのか?

どういう思いや意図があったのか?

それは最後になってもわからない。

(手がかりはあり、想像はできるが)

 

母親(それは父親でもきょうだいでも変わらないだろう)

は全く子どものことはわかってないのだなー

とあらためて思った。

母親というフィルターを通して見ている、

子どもの一部分だけなのだ。

それにしても、この大樹くんの抱えていた闇は

恐ろしい。

その闇をたとえ母親が知ったとしても何が

できるだろうか。

とても正面から受け止めることはできないだろう。

少なくとも私なら・・・

 

今まで読んだまさき氏の作品では、一番引き込まれた。

でもすっきりはしない。そういう作品ではない。

このようなある意味解決のない作品を読むと、

虚構の世界にどっぷりとつかりたくなる。

危うい現実から逃避したくなるのだ。

次はそんな作品に逃げるかも・・・

(同じようなことを「完璧な母親」の記事にも

書いていました(^^ゞ)