もりっちゃんのゆるブログ

楽しく、でも真面目に。 そんなブログを書いています。

「とわの庭」を読みました

今日は雨水。

でもまだまだ寒いです。⛄

 

とわの庭

「とわの庭」(小川糸 著)を読みました。

 

小川糸さんの本は人気が高く、予約も多いです。

「ライオンのおやつ」を予約していますが、300件以上。

まだまだですね。

「とわの庭」は回ってくるのが割と早いほうでした。

 

お母さんと二人で暮らす「とわ」という名の女の子が

語り手。

とわは生まれつき目が見えないのだが、

庭の草木や花々、鳥の歌を楽しんで日々を過ごしている。

やさしい雰囲気のホンワカした話かな と思っていると、

ん? 何か変だぞ・・・という気がしてきた。

 

お母さんはとわを溺愛しているようにみえる。

でも、とわは全く外へ出ない。

学校や他の教育施設にも行っていないようだし。

母娘で一日中ずっと一緒にいて、生活(費)はどうして

いるのだろう。

など疑問が湧いてくる。

お母さんは買い物にも行かない。

オットさんという人が、毎週水曜日に食料品や

日用品や本を届けてくれるのだ。

“オットさん”は“夫さん”で、別居している

とわの父親なのかと思ったりする。

 

こんな私の想像は、そのうち粉々に打ち砕かれる。

この物語は想像よりもうんとヘビーな話だったのだ。

ある日突然お母さんはとわの前から姿を消す。

お母さんはなぜ失踪したのか?

ひとりぼっちになってしまったとわはどうする?

 

ここからがこの物語の読みどころ。

絶望を感じるのは、どん底のときではない。

どん底のときは状況を客観的に見られず必死だから。

どん底から少し落ち着いて自分を見たとき、

先を考えて孤独と絶望を感じるのだなあと思った。

でもとわはしなやかに立ち上がる。

がんばり過ぎず自然に。

それが心地よい。

 

人は想像以上に強くたくましい。

そして未来は想像以上に豊かだ。