どこにも出かけずのんびり過ごしているはずのお正月。
なのに、あまり読書は進んでいません。
ま、ぼちぼちですね(笑)
「氷の轍」(桜木紫乃 著)を読みました。
「氷の轍」は何を意味するのだろう?と考えながら
ずっと読んでいたのですが・・・
終盤、あるシーンで突然ドラマの一場面を思い出しました。
「この小説のドラマ化、見たことある!」と。
2016年11月に、柴咲コウ主演で同タイトルでした。
相棒のベテラン刑事は沢村一樹。
でも思い出したシーン以外は全然思い出せない・・・
舞台は北海道釧路。
釧路へは一度だけ行ったことがありますが、電車の乗り換えだけで
街には出ていません。
ただ、強烈に覚えているのはにおいです。
漁港だから魚のにおい、海のにおいは当たり前ですが、
それだけではない何とも表現できないにおいでした。
あと、夏だったのに暗くて陰気だったこと(すみません💦)。
この小説を読むと、同じ夏の釧路が舞台で、陰があり
においがある釧路の様子がよくわかりました。
だから、夏なのにどうして「氷の轍」なのかと。
北海道釧路市の千代ノ浦海岸で男性の他殺死体が
発見された。被害者は札幌市の元タクシー乗務員
滝川信夫、八十歳。
(「氷の轍」帯の作品紹介より)
主人公は北海道警釧路方面本部刑事課強行犯係所属の
大門真由、30歳。
父親は元刑事、母親も婦警だった真由は、警察官を志したと
親に告げたとき、自分が養女だったことを知る。
それまでとまったく変わらず大門家で過ごしてきた真由は、
この殺人事件を捜査するなかで、自分の境遇とも向き合う
ことになる。
ドラマ化を思い出したシーンが強い印象を残すお話。
刑事ものだけれども、舞台となる土地の風土や歴史、
人々の暮らしや社会を映し出す、松本清張風の小説だと
思いました。