もりっちゃんのゆるブログ

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「完訳 ファーブル昆虫記 第3巻上」を読みました

連休中いいお天気が続いていましたが、今日は曇り⛅

少し雨もパラパラしています。

だいぶ涼しくなりました。

涼しさと関係しているかはわかりませんが、このところ睡眠の

調子がいいです。

調子を崩して薬で治療を始めたのが去年の秋だったと思うから、

そろそろ1年。

薬の量も減ってきて安定してきました。

よかったです。(^^)v

 

完訳 ファーブル昆虫記 第3巻 上

「完訳 ファーブル昆虫記 第3巻上」(ジャン=アンリ・ファーブル 著/

奥本大三郎 訳)を読みました。

 

表紙の絵はカブトムシ? おっ、ハチではない虫の登場か?

オウシュウサイカブト(欧州犀兜)というコガネムシ科の

甲虫(こうちゅう)です。確かにサイの角に似ていますね。

でも残念ながらこの巻の主な虫もまだハチでした・・・

めげずにがんばります(^^)/

 

最初に登場するのは、カブトムシと同じ仲間のハナムグリ

狩るツチバチ。

このハチはハナムグリの幼虫を狩ります。

ツチバチは巣を持ちません。

ハナムグリの幼虫のいる腐植土の中を大あごと前脚で掘り進み、

幼虫を一刺しして麻酔をかけ、仰向けで寝ている幼虫のお腹に

卵を産みます。

孵化したツチバチの幼虫は、ハナムグリの幼虫を食べて大きくなり、

やがて繭を作り蛹となり羽化すると親と同じように土を掘って

外へ出てきます。

 

ファーブルさんは、ハナムグリの幼虫と他のコガネムシの幼虫

について、歩き方? を比べました。

ハナムグリの幼虫は仰向けになって背中で歩くのです。

脚(のようなもの)はちゃんとお腹側にあるのに。

一方、ヒゲコガネやサイカブトの幼虫は、ごろんと横向きに

寝たままで、仰向きにも腹ばいにもならないそうです。

どちらも土の中にいるので普通は歩くことはないのですが、

ファーブルさんは観察の中で違いを見つけました。

日本のカブトムシの幼虫もたぶん歩かないだろうなあ~

 

さてこの先からはハチの巣に寄生する虫を紹介しています。

ファーブルさんの自宅の庭にいる2つのヌリハナバチ

(カベヌリハナバチ・ナヤノヌリハナバチ)の巣に寄生する虫たち。

・トガリハナバチモドキ

 ヌリハナバチの巣に穴を開けて、既に産み付けられている

 ヌリハナバチの卵の脇に自分の卵を産みつける。

 複数産み付けられるので、本来のヌリハナバチの幼虫は

 餌(蜜と花粉)が足りなくなって死んでしまう。

・ハキリバチモドキ

 ヌリハナバチが卵を産み、まだ部屋を閉じていないときに

 侵入して蜜の中に卵を産む。ヌリハナバチの幼虫より早く

 孵化し、ヌリハナバチの幼虫と餌を自分のものにしてしまう。

・ホシツリアブ

 アブはハチの仲間ではなく、ハエと同じ仲間(翅が2枚

 しかない。後翅は退化している)。

 ファーブルさんは卵の侵入経路を明らかにすることは

 できなかった(現在ではハチの巣が閉じられる前に上から

 バラまくように産卵するものと考えられている)が、

 その奇妙な蛹の状態を観察した。

 普通蛹はじっとしている。羽化まで動くことはない。

 でもこのアブの蛹は体が棘や剛毛でもじゃもじゃしていて、

 うわっと思うグロテスクさ。

 羽化する前に巣に穴を開けて、頭が外へ出たところで蛹の

 殻が破れて羽化する。

・シリアゲコバチ

 長い産卵管を持つハチで、その産卵管をお尻から背中へ

 ぐるっと回して格納している。

 ヌリハナバチの巣の外から産卵管を突き刺して

 巣の小部屋に直接産卵する。

 ヌリハナバチの幼虫を食べて大きくなる。

オナガコバチ

 シリアゲコバチと同様、産卵管の長いハチ。

 格納せずそのまま突き出している。

 ヌリハナバチの巣の外から産卵管を突き刺して産卵。

 小さいハチで、何度も同じ部屋に産卵するし、

 既に寄生しているハチ(トガリハナバチモドキなど)が

 いても産卵する。二次寄生という。

 

とにかくいろんな生態のハチがいるのだと思いました。

ファーブルさんがおこなった観察や実験では、時代的にも

わからないことが多かったです。

でも、その仕組みを科学的に解明することを期待しているような、

一方でそのままにしておいてほしいような、

そんな矛盾した気持ちをもっていたように感じます。

私にはわからないし、わかろうとする気もないのだけれど、

深く頭が下がる思いである。こういう問題はあまりに高尚すぎて、

人間のもつ手段で解決しようとするのは空しい気がするのである。

(「完訳 ファーブル昆虫記 第3巻上」

      “11章 ホシツリアブの幼虫 訳注”より)

ファーブルさんの情緒的な面がよく出ていると思いました。

 

ハチの生態以外にも興味深いことがいくつかありました。

それはまた次回に。