もりっちゃんのゆるブログ

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「完訳 ファーブル昆虫記 第2巻下」を読みました

今日は久しぶりに蒸し暑いです🌞

なかなかという実感はわきませんね。

緊急事態宣言は延長のもよう。とうとう今年もコロナで

暮れてしまいそうです・・・

 

完訳 ファーブル昆虫記 第2巻 下

「完訳 ファーブル昆虫記 第2巻下」(ジャン=アンリ・ファーブル 著/

奥本大三郎 訳)を読みました。

上下巻2冊と数えると4冊目になります。

 

今回は、昆虫の完全変態と不完全変態についてから始めます。

(うーん、なんか講義みたいやな(笑))

これは学校でも習うのでご存知のかたが多いでしょう。

完全変態は、卵→幼虫→蛹→成虫と変化。

完全変態は、卵→幼虫→成虫と変化。

つまり、成虫になる前に蛹(さなぎ)という形があるかないかの

違いです。

 

昆虫をものすごくザクっと分類すると、

完全変態ー甲虫(こうちゅう)のなかま(カブトムシ、テントウムシ・ホタル)

      ハエのなかま(ハエ、アブ、カ)

      ハチのなかま(ハチ、アリ)

      チョウのなかま(アゲハチョウ、カイコガ)

・不完全変態カメムシのなかま(セミタガメ、アメンボ)

       バッタのなかま(バッタ、コオロギ、キリギリス)

       トンボのなかま(オニヤンマ、アキアカネ

       ※ゴキブリも不完全変態です

 

今回調べると、無変態という昆虫もいました。

卵→成虫 という変化をするだけだそうです。

さて、なぜこんな話から入ったかと言えば、今巻に“過変態”という

言葉が出てくるからです。

 

ファーブルさんがスジハナバチの巣を観察していて見つけた、

ゲンセイとツチハンミョウという虫。

どちらも甲虫(こうちゅう)の仲間で、完全変態に分類されます。

ハンミョウという虫はご存知でしょうか。

漢字で書くと斑猫。体にきれいな斑紋がある虫で、

ささーっと歩く(走る?)とぱたっと止まるという動きをします。

肉食であることから猫科(ライオンなど)の連想があり、この字を

あてられたそうです。

私は、香川照之の「昆虫すごいぜ」で見たことがあります。

 

ツチハンミョウは漢字で土斑猫と書きますが、ハンミョウとは

異なる仲間です。

ツチハンミョウの仲間の昆虫は毒を持っていて、

この毒(カンタリジンという成分)は昔から薬としても利用

されました。

ハンミョウと混同され、ハンミョウにも毒があるとされた

記述が昔の小説なんかに出てきますが、ハンミョウは無毒です。

 

ツチハンミョウの仲間は寄生生物です。

その寄生の仕方が非常に奇妙なのです。

そのひとつ、スジハナバチヤドリゲンセイ(条花蜂宿芫菁)の

お母さんは、スジハナバチの巣の入り口に産卵します。

(巣は切り立った崖の面に垂直な穴になっている)

孵化した幼虫はその場所でじっと待ち続けます。

何を待つか。

奥で羽化してくるスジハナバチの雄が出てくるのを待っています。

スジハナバチの雄が出てきたら、その胸の部分に生えている

ふさふさの毛に、ゲンセイの幼虫がしがみつきます。

この幼虫はイモムシ型ではなく、見た目はトンボの幼虫のやごに

似た形をしています。体長は1ミリくらい。

ハチの雄にしがみついたゲンセイの幼虫は、ハチが雌と交尾するとき、

雌に乗り移ります。

ハチの雌に乗り移ったゲンセイの幼虫は、雌が産卵するとき

その卵に乗り移ります。

(スジハナバチは蜜のたまった小部屋に卵を1つ産む)

ハチの卵に乗り移ったゲンセイの幼虫は、ハチの卵を食い破り

中身を食べてしまいます。

ハチの卵を食べるまで、孵化してから幼虫は全く絶食状態です。

すごいと思いました。

 

ハチの卵を食べ終わったゲンセイの幼虫は、変態します。

普通、完全変態の場合、幼虫が変態すると蛹(さなぎ)になりますが、

ゲンセイは、やご型から今度はイモムシ型の幼虫に変態します。

イモムシになって、ハチが蓄えた蜜を食べ大きくなり何度か

脱皮します。

そして蜜を食べ終わったあと、また変態します。

イモムシの皮を付けたまま、その皮の中で擬蛹(ぎよう)に

なります。

擬蛹は蛹(さなぎ)のように見える蛹に似せたものという意味で、

ファーブルさんが名づけました。

蛹のように見えるから中から成虫が出てくるかと思うと、

なんと擬蛹の中でまたイモムシに変態します。

でも擬蛹が破れるわけでないので、外側からはわかりません。

ややこしいですが、外側からイモムシの皮→擬蛹の皮→イモムシ

という状態・・・

そしてやっと中のイモムシが蛹に変態します。

その変化も二重の皮の中で起こります。

そしていよいよ蛹の中から成虫が羽化し、二重の皮を破って

外へ出てきます。 

いや~ 大変!

 

擬蛹になってから最終的な羽化までまた絶食。

なぜこんな複雑な変態をするのかファーブルさんもわからなかったし、

現在でもよくわかっていません。

幼虫の状態でさまざまに変態することを、ファーブルさんは

「過変態」と名付けました。

 

こんな昆虫は初めてです。まったく知りませんでした。

知らないことはまだまだありそうです。

世界はおもしろい!

 

次回は、タランチュラについて書きます。

タランチュラって何チュラ?