東北の地震はびっくりしました。
私自身はもう布団に入っていて、本を読んでいました。
息子が「大丈夫?」と声をかけてきて、「何が?」と答えたくらい
全く気づきませんでした。
うちは高層階なので、小さい地震でも結構揺れるのです。
旦那さんも息子も地震に気づいたというから、遠くても大きい地震だった
ことがわかりました。
東日本大震災から来月で10年。改めて備蓄品のチェック、室内の
安全対策を確認したいと思います。
「国宝 下 花道篇」(吉田修一 著)を読みました。
「上 青春篇」の記事の最後で書いた徳次という人物について書きます。
徳次は、主人公の喜久雄と兄弟の盃をかわしたチンピラで、
長崎から喜久雄と一緒に大阪に出てきて、常に喜久雄のそばにいて
彼を支える「よかあ男」です。
徳次がいなければ、喜久雄の輝かしい歌舞伎役者の姿はなかった
でしょう。
この小説の登場人物では、私のイチ押しです!
華やかな世界に描かれた3人の死の場面が印象的です。
一人目は、喜久雄の父、立花権五郎が雪の中で最後を迎えるシーン。
二人目は、喜久雄の師匠、二代目花井半二郎が家を出て行った
息子の名を呼びながら亡くなるシーン。
三人目は、喜久雄の生涯のライバルであり友であり兄弟であり
最大の理解者であった、俊介の死を喜久雄が知り、
その中で「道成寺」を舞うシーン。
上下巻を読み通す途中で、この3つの場面は何度も読み返しました。
じーんとしたり、心が震えたり。
ラストは、芸術を極めた姿のひとつを提示したのでは
と思いました。
いいものを観させていただきました。いや読ませていただきました。
ありがとうございました。<(_ _)>