昨日までより少し寒くなりました。
明日からは本格的な寒さになるそうです。
ストーブを出し、布団を厚いものに変え、マフラーと手袋と帽子も
用意し、準備はしたけれど。
寒いのはやっぱり苦手。
寒さつながり(笑) ↓
「さむけ」(ロス・マクドナルド 著)を読みました。
原題は「THE CHILL」。chillは悪寒、ぞくぞくするような寒けという意味。
タイトルからは怖い小説、ホラー小説を思わせますが、
果たして・・・
ハヤカワ・ミステリ文庫の初版は1976年。
かなり前になります。私は作者名と題名だけ知っていましたが、
読んだことはありませんでした。
10/17付の毎日新聞書評欄「今週の本棚」の「なつかしい一冊」という
コーナーで紹介されました。
選者は津村記久子氏。
津村氏の小説を読んだことはありませんが(すみません💦)、
エッセイや書評は読んでいて、好きなんです。
津村氏は、「さむけ」について、
(略)
未来のどの時点でも、小説とはどういうものかという本を自分に対して
一冊挙げるとしたら、悩んだあげくこの本を選ぶと思う。
と書かれていました。
(略)
それが巡り巡って最後には、ミステリーの歴史に残る結末の
一文に辿り着く。個人的には、自分が読んできたあらゆる小説の中でも
最強と言っていい幕切れだと思う。
とも。
読みたくなるでしょ。
書評欄に載ったせいか、結構予約がついていて、
やっと順番が回ってきたら字の小さい文庫でした(T_T)
字は読める。ピントもぼけてないんだけど、小さい字は読むのがつらい・・・
創元推理文庫とハヤカワ文庫は何とかしてほしい!!
この「さむけ」には間に合わなかったけれど、近いうちに拡大鏡を
買おう。
舞台はアメリカ西海岸のパシフィック・ポイントという町。
探偵のアーチャーは、新婚旅行初日に新妻が失踪したと訴える
青年アレックスから、妻のドリーを探してほしいと依頼を受ける。
よくある冒頭。
古い作品なので、原作を元にひょっとしたら日本版としてドラマ化されたかも
しれない。
それはともかく、冒頭だけはよくあるパターンだ。
ラストまで、こんなに犯人がわからず、動機もわからず、
事件の組み立てがわからない作品は初めてだった。
それがラストでわかって、「さむけ」がしたかと言えば、
そんなでもない。
よくわからないのだ。
津村氏も、
初読のときは「なんだかよくわからない」の一言に尽きた。
と言っている。
なんだかよくわからないが、
強烈な印象を残す作品なのは間違いない。
後を継ぐハードボイルド作家として高く評価されているそうだ。
ハードボイルドによくある決めゼリフや言い回しも登場するが、
ハードボイルド色は薄いほうだと思う。
会話部分が多いので読み進めやすい。字が小さいだけ。(←何度も言う)
図書館で借りて読んだ本だが、いずれ手元に置きたいと思う。
それまでに字が大きくなっていればいいのだけど。