もりっちゃんのゆるブログ

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「世界にただひとりのサンタクロース 鳥居の密室」を読みました

明日から12月。気分はクリスマスと言いたいですが、

今年はちょっと違いますね。 

 サンタクロースも移動が大変。でもきっとマスクをつけてがんばって

くれるでしょう。

 

鳥居の密室―世界にただひとりのサンタクロース―

「世界にただひとりのサンタクロース 鳥居の密室」(島田荘司 著)を

読みました。

島田荘司氏の著作は好きでほとんど読んでいますが、この作品は

初読。発行は2018年で、ふんふん、新しい作品ですね。

御手洗潔(みたらい きよし)シリーズになるけれど、御手洗が

京大医学部在学中の事件なので、若かりし頃のエピソードになりますね。

あれっ、御手洗さんって医学部出身だったっけ。

 

浪人生のサトルは、予備校のクラスメート 楓の生い立ちを知り、

自分の志望校の先輩である御手洗に相談をもちかける。

楓は8歳のとき、密室だった家で母親を殺され、父親は電車に飛び込んで

自殺してしまい、父親の姉である叔母にひきとられて育った。

母を殺したとされる犯人は、自白したものの裁判で翻意し、10年たっても

裁判が続いているという。

楓が当時住んでいた家は、錦天満宮の鳥居の隣にあった。

 

この物語のベースとなっている謎の鳥居は、私もテレビで見た覚えが

ある。

京都は不思議な謎に満ちた土地だ。

他にも不思議な京都の逸話が描かれている。

 

どちらかというと若い世代向けの作品と思われ、若い人へのエール

も感じられた。

「ヴォランティア仕事からはお礼はいただけませんよ。

ぼくとしては、この社会を歩いているのが、意地悪で、人を傷つける

のが趣味の、糞みたいな連中ばかりじゃないと、彼が解ってくれたら

それでいいです」

  (「世界にただひとりのサンタクロース 鳥居の密室」より)

作品の最後に語られる御手洗の言葉だ。